暁 〜小説投稿サイト〜
魔法少女リリカルなのは〜無限の可能性〜
第7章:神界大戦
第216話「慈悲なき絶望・後」
[5/10]

[8]前話 [1] [9] 最後 最初 [2]次話
集束させればそうなるのは必然だ」

 塵も積もれば山となる。まさにそのような事が奏に対して行われたのだ。
 奏一人分であれば、耐える事の出来た“絶望”。
 だが、分身も同じようにその感情を抱えていたため、それらが集束して奏の許容量を完全に超えてしまっていた。
 さらに、結界外にいた多数の分身の感情、ダメージも集束したため、一瞬にして奏の心は打ち砕かれ、こうして戦闘不能になってしまったのだ。

「……自分だけしか分身の集束が出来ないと、無意識に思っていたのだろうな」

 神の言葉に、奏は反応を返さない。
 当然だ。知覚する間もなく、奏は心を挫けさせられたのだから。



























「っづぁああっ!!!」

 緋雪の拳が目の前の神へと叩きつけられる。

   ―――ギィイイイイイイン!!!

「っぐ、っ、ふー……!ふー……!」

 直後、甲高い音と共に緋雪の拳が砕け散る。
 殴った威力がそのまま跳ね返り、それが緋雪の拳を破壊したのだ。

「が、ぁっ……!?」

 だが、目の前の神にもダメージは通っていた。
 元々、物理攻撃に対しての反射は、威力をそのまま跳ね返しての相殺だった。
 しかし、緋雪は敢えて自身の負担を顧みずに全力で攻撃していた。
 その結果、そのまま跳ね返すだけでは相殺しきれずにダメージが通っていた。

「(狙い通り……!)」

 緋雪の予想通りに、神へのダメージは蓄積していく。

「いいよ!いいよ!もっと来なよ!」

「っ、ぁあああああああああっ!!」

「あはははははは!」

「(……ぶっちゃけ分身もうるさいなぁ)」

 狂気を反映させた緋雪のコピーが、緋雪を邪魔してくる。
 それを阻止するため、緋雪もまた分身を繰り出したが、こちらも煩かった。
 なお、喜怒哀楽を反映させた四人の分身だったが、哀だけは神界において復活するための“意志”を保てないため、既にやられていた。

「(まぁ、おかげでこうして攻撃出来るんだけどね!)」

 コピーを全て相手にする必要はなく、神本体を攻撃さえ出来ればいい。
 そのため、たった三体の分身だけで緋雪は神へと攻撃出来ていた。

「はぁっ!」

「ッ……!ふっ!!」

 神自身も反撃しない訳ではない。
 緋雪の姿を模っているため、その力を以って攻撃してくる。
 だが、緋雪はそれを紙一重で躱し、カウンターで手刀を突き刺す。
 骨が砕け、身が抉れ、無残な状態になろうとも、神に手を突き刺した。

「が、ぁあああっ……!?」

「(表面に罅……?私の姿が崩れようとしているの?)」

 すると、神の体に罅が入ってい
[8]前話 [1] [9] 最後 最初 [2]次話


※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりをはさむしおりを挿む
しおりを解除しおりを解除

[7]小説案内ページ

[0]目次に戻る

TOPに戻る


暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ

2024 肥前のポチ