第7章:神界大戦
第216話「慈悲なき絶望・後」
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集束させればそうなるのは必然だ」
塵も積もれば山となる。まさにそのような事が奏に対して行われたのだ。
奏一人分であれば、耐える事の出来た“絶望”。
だが、分身も同じようにその感情を抱えていたため、それらが集束して奏の許容量を完全に超えてしまっていた。
さらに、結界外にいた多数の分身の感情、ダメージも集束したため、一瞬にして奏の心は打ち砕かれ、こうして戦闘不能になってしまったのだ。
「……自分だけしか分身の集束が出来ないと、無意識に思っていたのだろうな」
神の言葉に、奏は反応を返さない。
当然だ。知覚する間もなく、奏は心を挫けさせられたのだから。
「っづぁああっ!!!」
緋雪の拳が目の前の神へと叩きつけられる。
―――ギィイイイイイイン!!!
「っぐ、っ、ふー……!ふー……!」
直後、甲高い音と共に緋雪の拳が砕け散る。
殴った威力がそのまま跳ね返り、それが緋雪の拳を破壊したのだ。
「が、ぁっ……!?」
だが、目の前の神にもダメージは通っていた。
元々、物理攻撃に対しての反射は、威力をそのまま跳ね返しての相殺だった。
しかし、緋雪は敢えて自身の負担を顧みずに全力で攻撃していた。
その結果、そのまま跳ね返すだけでは相殺しきれずにダメージが通っていた。
「(狙い通り……!)」
緋雪の予想通りに、神へのダメージは蓄積していく。
「いいよ!いいよ!もっと来なよ!」
「っ、ぁあああああああああっ!!」
「あはははははは!」
「(……ぶっちゃけ分身もうるさいなぁ)」
狂気を反映させた緋雪のコピーが、緋雪を邪魔してくる。
それを阻止するため、緋雪もまた分身を繰り出したが、こちらも煩かった。
なお、喜怒哀楽を反映させた四人の分身だったが、哀だけは神界において復活するための“意志”を保てないため、既にやられていた。
「(まぁ、おかげでこうして攻撃出来るんだけどね!)」
コピーを全て相手にする必要はなく、神本体を攻撃さえ出来ればいい。
そのため、たった三体の分身だけで緋雪は神へと攻撃出来ていた。
「はぁっ!」
「ッ……!ふっ!!」
神自身も反撃しない訳ではない。
緋雪の姿を模っているため、その力を以って攻撃してくる。
だが、緋雪はそれを紙一重で躱し、カウンターで手刀を突き刺す。
骨が砕け、身が抉れ、無残な状態になろうとも、神に手を突き刺した。
「が、ぁあああっ……!?」
「(表面に罅……?私の姿が崩れようとしているの?)」
すると、神の体に罅が入ってい
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