第7章:神界大戦
第216話「慈悲なき絶望・後」
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事で、音を響かせる概念効果により、障壁を徹す効果が付き、さらにそれらを束ねた事で、その効果が一点集中する概念効果もあった。
奏自身、狙ってやった訳ではなかったが、この上なく貫通力があった。
「―――やはり、欠片も油断するものではないな」
「なっ……!?」
だからこそ、奏は神の声が聞こえてきた事に驚愕した。
「まさか、障壁を三枚も割るとはな」
「防、がれた……!?」
確かな手応えもあった。
実際、障壁を貫く程にはちゃんと効果があったのだ。
だが、神もそれに備えて障壁を増やしていた。
一枚は貫けても、何重にも張られた障壁全てを貫けなかったのだ。
「やはり侮れんな。だが、手の内を見せてしまったな?」
「ッ、まだ……!」
諦めずに奏は再び術式を組もうとする。
「もうさせんぞ?」
だが、それは神によって“防がれた”。
「ただ防御に特化しているだけと思うな。妨害するように“防ぐ”のも可能なのだぞ?あのような準備が必要な技など、もう通用せん」
「ぐっ……ぁああっ!!」
―――“Echo”
首を掴まれた状態から、その腕に対して攻撃を放つ。
だが、それは障壁に阻まれる。
「っづ……ぐ……!」
それでも抵抗しなければ首を絞められるだけだと、奏は抵抗を続ける。
刃を叩きつけるのではなく、両手で腕を引き剥がそうと試みる。
もちろん、その手から魔力と霊力を徹そうとしながら。
「っ、ぁああっ!」
時間を掛けたからか、霊力と魔力が障壁を浸食し、腕に手が届いた。
そのまま、ありったけの身体強化を使って腕を引き剥がす。
「っ!」
〈“Delay”〉
すぐさま間合いを取って、隔離している結界の端に移動した。
「(妨害されるなら、足止めを……!)」
〈いけませんマスター!それ以上の分身は……!〉
「しなくちゃ、負けるだけ……!」
―――“Harmonics”
再び奏は分身し、その分身が神に斬りかかる。
分身で時間を稼ぎ、その間に先程の霊魔術を放つ算段だ。
「これ、で……!」
分身が分身を呼び、何十人の規模で神を足止めする。
本体だけでなく、分身も同じ霊魔術を放とうとする事で、限りなく神の妨害を阻止する事に成功する。
「もう、一度ぉっ!!」
―――“Angel Beats”
果たして、その作戦は成功し、時間を稼ぎ終わった。
先程放ったものよりも強い威力で放ち、確実に障壁を貫こうと神に迫る。
「あぁ、確かに有効な手段だな」
「……えっ…
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