第7章:神界大戦
第216話「慈悲なき絶望・後」
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「っ、はぁ、はぁ、はぁ……!」
神界のどこか。
たった一人、はぐれてしまった帝は今もまだ何とか生き残っていた。
彼の足元には、先程まで戦っていた神が倒れている。
辺りには、戦闘に使った武器群が大量に散らばっていた。
「やっと、倒せた……!」
〈単独行動の神で助かりましたね〉
「全くだ……!」
神と遭遇したのは偶然だった。
その神は“はぐれる性質”を持っており、神も帝と同じようにはぐれていた。
そのおかげで、他の神や“天使”に妨害される事なく戦えたのだ。
「くそ……それにしても、連絡つかないのか?」
〈……はい。原因ははっきりとは分かりませんが、完全に通信が途絶しています〉
帝もはぐれてから何度も優輝達と連絡を取ろうとしていた。
しかし、神界という特殊な環境下なため、連絡は取れず仕舞いだった。
「……光ったと思ったら吹き飛んでいたんだもんなぁ……」
〈攻撃された自覚がなかったからか、肉体的ダメージはほぼゼロですがね〉
あの時、帝は自分に何が起きたか理解していなかった。
それが幸いし、肉体的なダメージはほとんど無効化していた。
尤も、それ以外の問題が山積みになっているが。
「……結局、あの神が言っていた事は一体……」
戦闘が終わったため、帝に考える時間が出来た。
その時間で考えるのは、吹き飛ぶ前に出会っていた神、ディータの言葉だ。
〈私達は、ソレラと名乗ったあの神に騙されていた、という事でしょう〉
「……そう、か。皆が俺を探しに来ないのも……」
〈単純に探し出せていないか、その余裕がないのかのどちらかですね〉
驚きはしたが、それ以上に腑に落ちた。
帝自身、ディータの言っていた事は十分に理解していた。
既に洗脳済みで、自分達を騙していた事ぐらい、さすがに理解出来た。
「こうなると、俺自身が動く必要もあるな」
〈そうですね〉
「……隠れてばかりじゃダメか……」
現在、帝は“ハデスの隠れ兜”と言う兜の形をした身隠しの布を着けている。
その効果によって他人には見えないようになっていた。
だが、音などまでは隠せないため、あまり大胆には動けないでいたのだ。
「俺が飛んできた方向、記録しているか?」
〈はい。数値的な距離であれば、飛んできた方角、距離、さらには吹き飛ばされた場所から出口までの道のりも記録してあります〉
「……よし、それなら……」
〈ただし、神界において数値的な距離などは無意味に近いです。一応辿っても効果はあるでしょうが、確実に合流できるとは限りません。元より、皆さんが来た道を戻っているのかすら……〉
「……ちっ
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