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【完結】Fate/stay night -錬鉄の絆-
第040話 『エピローグ』
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そう言ってセイバーは目を瞑って胸に手を添える。

「そして私はこの戦いを最後に一歩、踏み出します。これもシロのおかげなのですよ。感謝します」
「私こそ…。ありがとう、セイバー」
「はい。それでは後はアーチャーと…シロウとの別れを。後悔のなきように…」
「うん…」

見れば凛さんと兄さんもお別れができたのだろう、少し凛さんは涙目になっていた。
兄さんが私の方へと歩み寄ってきて、

「志郎…これでお別れだ。こんな時になんて言葉を残せばいいのかわからないが、会えてよかった」
「私もだよ、兄さん…ね? 兄さん…少し抱きしめてもらってもいいかな…?」
「いいだろう…」

そして兄さんは私を抱きしめてくれた。
私より数段体が大きい兄さんに抱きしめられてもうこれでお別れなんだと思って、私は涙を流してしまっていた。
そんな時だった。
兄さんは泣いている私に気づいたのだろう。
私の目尻を拭いながら、

「笑っていてくれ、志郎…志郎は笑顔が一番似合うのだから」
「あっ…」

そのセリフを聞いて私は再び涙を流してしまった。
そのセリフはお父さんの残してくれた言葉とまるで同じセリフだったのだ。
それで泣きながらも笑みを浮かべて、

「やっぱり兄さんはお父さんの子供なんだね…」
「それはそうだろう。私と志郎は同じ父を持つ兄妹なのだからな…」
「そうだね。そうだよね!」

それから少しの間、抱きしめてもらいながら名残惜しいかもしれないけど離れた。

「…さて、これでもうお別れだな」
「あっ! 待って兄さん!」
「どうしたんだ、志郎…?」
「うん…」

そう言いながらも私はこの十年間貯め続けていた私の魔力がこもった黒いリボンを解いて兄さんの腕に巻く。

「このリボンは…?」
「私の十年分の魔力が籠もっているリボンだよ。できれば一緒に持って行ってほしい…。
兄さんが挫けそうになったらこれを私だと思って…そして私の事を忘れないで…ッ!!」
「ああ…。ありがとう、志郎。ああ、必ずこの出会いの記憶を本体の元へと送り届けよう」
「うん。それじゃもうお別れだね…」
「ああ…」

そして私はセイバーへと目を向けて、

「セイバー…令呪に命じます、最後の責務を果たして!」
「はい、シロ!」

セイバーはエクスカリバーを構えて大聖杯へと向ける。
そして、

約束された勝利の剣(エクスカリバー)ーーーーーッ!!」

黄金の極光は瞬く間に大聖杯を飲み込んで破壊した。
その瞬間、確かに今まであったセイバーとの繋がりが切れたのを自覚した。
セイバーは笑みを浮かべながらも、

「それではシロ。あなたのこれからに幸運がある事を祈っています…。さようなら。マイマスター…」

そしてセ
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