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【完結】Fate/stay night -錬鉄の絆-
第038話 7日目・2月06日『最後の敵』
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志郎とセイバーが言峰綺礼とランサーを倒す少し前の事、アーチャーは洞窟の最奥にある大聖杯の場所へとやってきた。
アーチャーが顔を上げれば分かるように小聖杯が大聖杯の直上に浮いて安置されている。
そして大聖杯の場には一人の黄金の鎧を纏った男。
第四次聖杯戦争で唯一現界し続けている男………英雄王、名をギルガメッシュ。
ギルガメッシュはアーチャーが来たことに気づいたのだろう、『ふんっ!』と鼻を鳴らしながら、

「…ようやく来たな。贋作者(フェイカー)
「ああ。貴様と決着をつけるために私はここまで来た。英雄王…!」

それでギルガメッシュはアーチャーを見下ろしながら問う。

「…それで? 贋作者(フェイカー)。ここまでやってきたのだ。聞いてやる。
貴様は原初の王たるこの我に太刀打ちできる術を持っているというのか…?」
「それは見てからのお楽しみだ」
「ふんっ。生意気な…我にそのような戯言を言う口などすぐに封じてやろう」

瞬間、ギルガメッシュの背後がグニャリと歪む。
黄金の幕からは次々とあらゆる原初の武器が姿を現す。
切っ先はすべてアーチャーに向けられていた。
そしてギルガメッシュはさながら最初から決まっているかのように勝利の笑みを浮かべる。
だが、アーチャーは「くっ…」と声を出し笑みを浮かべる。

「…なにがおかしい?」
「いや、なに…。最初から見せつけるように宝具の群れを呼び出し私の戦意を削ろうという魂胆が丸見えなのでね。いささか慢心が過ぎると思ってね」
「慢心せずして何が王よ! 貴様ごときに本気で挑むほど我は落ちぶれてはいないわ!」
「それが…貴様の敗因たる所以だよ。貴様はそうして過去にむざむざと蛇にしてやられたのではないかね?」

アーチャーのその煽りにギルガメッシュの顔に青筋が浮かび上がる。

「ほざいたな! 贋作者(フェイカー)!!」

そしてギルガメッシュの怒りを買い、いざアーチャーを串刺しにしようという意思を体現したかのように射出される武器達。
しかし、それでもアーチャーは焦らずに一言、いつも通りの様子で、

「―――投影開始(トレース・オン)

そう唱えた瞬間には射出されてきた宝具と同じ宝具が展開され打ち合いとなりすべて砕ける。

「我の怒りを買い、さらには我の宝まで真似るその所業…万死に値するぞ!」
「ほざいていろ、英雄王!」

次にはその手に干将・莫耶を投影してギルガメッシュへと駆けるアーチャー。

「ふんっ!」

ギルガメッシュが手を掲げ再度武器の群れを展開させる。
だが、

「遅い!」

ギルガメッシュの展開するスピードはアーチャーが投影するスピードより幾分遅い。
故に、展開しきる前に叩き落とされる。

「おのれぇ!!」

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