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【完結】Fate/stay night -錬鉄の絆-
第037話 7日目・2月06日『傷の切開と報い』
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で消えてもらいます」

そう言って私は腰に下げてあったとあるものを引き抜いた。
それはお父さんの形見である銃『トンプソン・コンテンダー』。

「ほう…懐かしいものを出してくるな。素直になった気持ちはどうかね。実にいいものだと―――………」
「もう、それ以上喋るな………」

そう言ってとある薬を一飲みする。
その効果は、

「疑似固有時制御展開………三倍速!」
「なにっ!?」
「シロ!?」

言峰綺礼がその顔に初めて驚愕の色を現す。
だがもう遅い………。
一気に私は言峰綺礼の背後に姿を現してトンプソン・コンテンダーからある銃弾を撃ち放つ。
それは見事言峰綺礼の体に命中した。

「ふ、ふふふ………この程度なのかね。私にはかゆい程度だぞ?」
「そう思うんでしたら思っていてください。直に終わります」
「なにを…? おぶくあっ!!!???」

突然言峰綺礼の体から幾重にも刃が突き出してきたのである。
それはどんどんと増殖するように言峰綺礼の体を体内から破壊していく。
やがて顔の下以外はすべて剣が体から突き出してまるでハリネズミのようになって言峰綺礼はあっけなく目を大きく見開き絶命していた。
そして言峰綺礼が死んだのを合図に孔も消え去って泥もなくなった。
セイバーが凛さんを両手で抱えながら私のところへとやってきて、

「シロ…先ほどの動きは一体?」
「そうよ志郎。それにあの銃弾の効果は一体…?」
「私ね、血が繋がっていないからお父さんの魔術刻印は継げなかったの。
………だからお父さんは魔術刻印の魔術を一時的に疑似的に発動できるように使い捨てで小分けにして分けて薬にして私に託してくれた」
「そんな事が…」
「そして先ほどの銃弾は私の起源である『剣』を現した起源弾。撃ちこまれたが最後体内から一斉に剣が増殖して対象者の体を破壊する私の秘奥…」

それを言い切るとセイバーが少しばかり辛そうな表情になり、

「シロは…切嗣の理想を、継ぐのですか…?」
「………継がないよ。だって私の理想は『大切な人達を守れる正義の味方』だから…」

そう、その為なら私の大事な人達を殺めようとする者には消えてもらわないと。
このとある条件下での冷酷さだけは唯一お父さんから引き継いだものかもしれないと私は思った。

「綺礼は志郎の触れてはいけない部分に触れてしまったのね…。志郎、今までで一番魔術師の顔をしていたわよ」
「そうなのかな…? でも、もう大丈夫。暗い気持ちはもう抑えたから。さ、兄さんを助けにいこう!」
「…そうですね。立てますか、リン?」
「なんとかね…」

それで私達は最奥で戦っているだろう兄さんの元へと急ぐのだった。



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