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【完結】Fate/stay night -錬鉄の絆-
第036話 7日目・2月06日『門番の槍兵』
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同じく魔力を剣へと集めていく。
次第に風では覆い隠せなくなってきたのか黄金の剣がその姿を現す。

「ひゅー! やっぱり騎士王だったか。倒すのが惜しい相手だな」
「言っていろランサー。消え去るのは貴殿の方だ」

ランサーの槍はもう禍々しいほどの魔力が集約されていつでも放てるのだろう。
それはセイバーも同じでいつでも聖剣を解放できるように構えを解かない。
ランサーの槍は因果逆転の効果を持つゲイボルグ。
見極めが大事だ。
心の中で私は唱える。

(第一の令呪に告げる………)

それによって令呪の一画が輝きを増す。
でも二人はそんな事には気が付かずにお互いにボルテージが最大限に達したのだろう。
その言霊を解放する。

「受けなさい!約束された(エクス)―――………」
「穿てよ! 刺し穿つ(ゲイ)………」
勝利の剣(カリバー)ーーーーッ!!」
死棘の槍(ボルグ)!!」

お互いの真名解放が放たれた。
セイバーの聖剣の極光がランサーを覆い尽くす。
それでも分が悪かろうとランサーは極光の中を突っ切ろうと突き進む。
そして極光はランサーを飲み込んだ。
これで普通なら勝ったと思うだろう、だがランサーは直線上の斬撃ゆえにギリギリの境目を越えてセイバーへと疾駆した。

「もらったぁ!!」

歓喜の表情を浮かべながらランサーの槍はセイバーの胸に刺さ………らなった。
その事実に一瞬困惑するランサーを尻目にセイバーが背後からランサーの背中を貫いていた。

「ぐ、ふぅ………どうやって俺の槍を………?」
「私には最高のマスターがいましたから。それだけです」

それでランサーは私の手を見る。
私の令呪が一画欠けているのを確認したランサー。

「令呪によって心臓を貫く運命を捻じ曲げたか。くくく………本当にできたマスターだな」
「はい。マスターはとても優秀ですから」
「違いねぇ………ああ、ったく嬢ちゃんに呼ばれてたら俺も………いや、今言ったところで栓無き事か」

消えかけのランサーに私は近づいていき、

「一騎打ちを邪魔しちゃったから怒ってない?」
「ま、あのままだったら俺の勝ちだったがな。だが楽しかったぜ、お嬢ちゃん」

そう言って後は上半身だけの姿になったランサーは、

「楽しい戦だったぜ! じゃあな!!」

実に満足げな表情をして消え去った。

「………ランサー。私も柄にもなく楽しかったですよ。さらばです」
「………」

私はセイバーの独り言に何も言わず黙っていた。

「さて、それでは向かいましょうか」
「そうだね、セイバー。きっと今も兄さんと凛さんが戦っていると思うから」

少しの余韻を残しながらも私とセイバーは洞窟の中へと入っていくのであった。


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