651部分:悪魔その十二
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悪魔その十二
「最後の最後で」
「あいつを成敗して」
「それで」
それを成敗というのであった。今は。
「未晴が笑って登校できたらね」
「それで」
「それにしても」
ここで言ったのは明日夢だった。
「問題はあいつが学校まで来たことよ」
「あれは偶然だったと思うよ」
竹山はそう見ているのだった。
「偶然だったんだよ」
「偶然だったの」
「来たこと自体はね」
それは、というのだ。
「それ自体はやっぱり偶然のことだったと思うんだ、僕はね」
「じゃあどうして来たのかな」
加山がここで彼に問うた。
「それじゃあここに」
「趣味だったんだろうね」
それだったというのである。
「趣味をしに来ただけなんだよ」
「飼育小屋の動物を殺すことが趣味なの?」
凛は顔を顰めさせてその竹山に問い返した。
「そんなの趣味って言えるの?」
「あの人にとってはね」
加山は凛のその言葉に答えた。
「そうなんだよ」
「嫌な趣味ね」
静華がここまで聞いて苦々しげに呟いた。
「本当にね」
「僕もそう思うよ」
それは竹山にしても同じだった。
「そんなのは趣味と言えるかどうかさえ疑問だと思うよ」
「花壇の方も無事だったよ」
桐生はこのことも言ってきた。
「そっちもね」
「そうか。よかったな」
「そっちも無事でな」
野茂と坂上が桐生の今の言葉にほっと胸を撫で下ろした。
「動物も花も無事だったんだな」
「とりあえずはよしってことか」
「そう思っていいよ。ただ」
だが、であった。ここで竹山が言ってきた。二人だけでなく皆に対してだ。皆今日は串カツもビールもそれ程進んではいない。大人しいものである。
「彼の気が向けばね」
「そうなったらその時は」
「また来るってことかよ」
「うん」
坪本と春華の言葉に頷いてみせるのだった。
「そういうことなんだ」
「じゃああれか。事件の解決には」
「どのみちあいつを」
「元を断たないと駄目だよ」
竹山の今の言葉が確信を突いていた。
「結局のところはね」
「へっ、それだったらな」
それを聞いた野本の言葉である。
「あいつをぶっ潰すんだよ」
「ぶっ潰すって言うけれど」
竹山は結果として彼のその矛を収める方向で話をした。
「それにはまずね」
「あいつを前にしても動けるようにかよ」
「うん、それだよ」
彼が言うのはまさにこのことだった。
「そうじゃないとどうしようもないから」
「あいつの妖気、だよな」
野本はそれを指摘した。
「あれを受けるとまともに動けなくなっちまうんだよ」
「そう、それよね」
咲もまさにそれだと話す。
「動けないとどうにもならないわよ」
「恐怖なんだよ」
竹山は今度はこのことを
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