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【完結】Fate/stay night -錬鉄の絆-
第034話 6日目・2月05日『夢、そしてイリヤの現状』
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いざとなれば結界も突破しようとしたけど、だけどお父さんはやっぱり無理をしていたのだろう、もう結界を突破するどころかその結界の繋ぎ目すら発見できないまでに力が衰えていたのだ。
私の解析の魔術をして解析しきれない強固な結界………それで途方に暮れる時間すらあちらは与えてくれなかった。
なにかの気配がしたと思えばそこには普通の獣ではありえない形をした異形がたくさん現れて私とお父さんはアインツベルンまであと少しという所で撤退を余儀なくされた。
なんとか異形の獣から逃げおおせたのだろう私は荒い息を吐くお父さんの背中を擦りながら、
『お父さん、大丈夫………?』
『ああ、平気さ。でも志郎の切り札を一回だけ使っちゃったね』
『………ごめんなさい。あの時あと少し遅かったらお父さんが殺されると思って禁忌を破っちゃった』
あれは本当の意味で切り札なのだ。
なのに私は一回使ってしまった。
お父さんとの約束を破ってしまった。
それで酷く落ち込んでいた私にお父さんは笑いながら、
『そう落ち込まないで志郎。大丈夫だよ。志郎の行動は決してマイナスにはなっていない。どころか僕を助けてくれたんだからプラスになっているさ』
『本当………?』
『そうだとも。でなければもう僕はここにはいないさ』
そう言ってお父さんは軽く笑って私の落ち込んだ気持ちを吹き飛ばしてくれた。
それからお父さんが『今回は帰ろうか………』と言って私の手を握って雪が降る中で一緒に来た時のように密航して家へと帰った。
そしてまた私は鍛えてお父さんの体がまだ持つであろう間に何回もアインツベルンへと挑んでいったが悉く返り討ちにあった。
それでお父さんは死に体の体に余計に負担をかけまくったせいでとうとうろくに動けなくなってしまい私に願いを託して逝った………。
お父さんが逝ってからというもの、私は一人ではお父さんのようにうまく密航もできないし伝手もないからただただ毎日準備だけは欠かさずに今は耐える事だけをしていった。
……………
…………
………
時は飛んで聖杯戦争が始まり私は今までの準備期間を一気に解放するために、そしてこの聖杯戦争という魔術儀式を終わらすために行動を開始した。
御三家の一つである凛さんとも協力者になったし、もう一つの御三家である間桐臓硯も桜を救う過程で倒すことができた。
後は姉さんとも和解できればどうにかなるかもしれない………。
そんな矢先に知ってしまったアーチャーの真実………。
兄さん………。
私はどうすれば兄さんと素直に話し合えるのかな………?
私が悩んでいる時に姉さんが話しかけてくれた。
それで話をしていく過程で和解もできてその時だけは兄さんという悩みも吹き飛んでいた。
ただ………。
これは本当に悪夢であってほしい………。
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