ターン14 鉄砲水と手札の天使
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「……!」
「……」
あからさまに身を震わせたものの、相手が同じ精霊であると感じ取ったのか逃げ出そうとまではしない儚無みずき。無口な精霊同士の声なき会話を、3人の人間は蚊帳の外からなんとはなしに黙ったままに見つめていた。
「……?」
「……!」
そして短い会話は終わり、とてとてと踵を返した幽鬼うさぎが清明の元へと戻る。足元まで来て主を見上げ、何かを伝えようとするのに小さく頷く。
「アンタ、そっちは何言ってるかわかるのな」
「もうだいぶ付き合い長いからね、なんとなくは言いたいこともわかるのよ。最悪、うちの神様が通訳やってくれるしさ。ふんふん、なるほどねえ」
「えっと、幽霊さん……じゃない、精霊さんはなんて言ってるんですか?」
「こっちの言い分はわかったけど、まだ信用はできないとさ。よっぽど人間不信が強いみたいね、こりゃ。んで、それから?どこまで本気か見極めたいから、私とデュエルしろって?いいねいいね、メルヘンなのも嫌いじゃないけど、そういう武闘派思考は歓迎するよ。お疲れさま、うさぎちゃん」
ぺろりと唇を舐め、デュエルディスクから幽鬼うさぎのカードを戻しつつそのまま構える清明。同時に、精霊少女もまた自分のデュエルディスクを構えていた。
「それじゃあ、デュエルと洒落込もうか。下の様子も気になるし、手加減抜きでいかせてもらうよ……デュエル!」
「……」
そして先攻を取ったのは、儚無みずきからだった。糸巻も下でただ1人足止めをしている鳥居の様子は気にかかったものの、今は完全に伸びているとはいえこの階にもいつ目を覚ますかわかったものではないテロリストからの刺客がいる以上は下手に八卦を置いていくわけにもいかない。手錠や警棒といった道具の類は、全て下にいる鳥居が持っているため今の彼女は肌身離さず持ち歩いているデュエルディスクとデッキ、そして煙草の他はほぼ丸腰だ。かといって巴という男の危険性と以前対峙した新型の「BV」を今回も手にしている可能性を考えると、民間人の少女を下までまた連れて行くのはもっと論外である。
結局はどうすることもできず、取り出した煙草に火をつけて目の前で始まったこのデュエルが終わるのを見ているしかなかった。彼女にとっては幸いなことに、今でも鳥居が下で頑張っていることは辛うじて下からの喧騒でわかる。何を話しているのかまでは聞き取れないが、彼なりのエンタメデュエルで巴相手に渡り合っている。
「……」
そして儚無みずきが最初に召喚したモンスターは、青い鎧に身を包み槍を持つ1人の戦士。
竜魔導の守護者 攻1800
「竜魔導の守護者……融合テーマ、ですかねお姉様」
同意を求めるように見上げてきた少女に、そうだなと短く返す。竜魔導の守護者は融合に対し便利な効果を2つ
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