ターン14 鉄砲水と手札の天使
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ゃともかく、この中だと誰が相手してもあんま変わらないだろ」
追い込まれているというのにどこかのんびりとした会話をよそに、儚無みずきが1枚の伏せカードと共にそのターンを終えた。このターン中に清明のライフを削りきれなかった以上、当然その返しに彼は先ほど奪い取ったサンダー・ボルトが使用できる。当然、儚無みずき自身もそれはわかっているはずだ。
だが、まだ少女の戦う意志は衰えていない。となると、と彼は推察する。まあ普通に考えて、あの伏せカードが何か悪さをするのだろう。しかし、せっかくもらえたものを使わない道理はどこにもない。もしも通れば儲けもの、まさかピンポイントなメタカードである避雷針などは入っていないだろう。
「僕のターン。お望みどおりに使ってあげるよ……リバースカードオープン、サンダー・ボルト!このカードの効果で、相手フィールドに存在するモンスターをすべて破壊する!」
「……」
果たしてどんなカードで対応するのか、という視線が注がれる中、天から振り下ろされた雷の一撃がフィールドを焼き尽くしにかかる。しかし誰もの予想に反し、その伏せられたカードは最後まで表にならなかった。ドラゴンに乗るワイバーンとブラック・コーン号はともに跡形もなく焼き尽くされ、補給部隊のドロートリガーとなる。だが、それだけだ。他に何も起きない。最初にその違和感に気が付いたのは、やはり糸巻だった。
「……妙だな」
「どうかしましたか、お姉様?」
「コーン号の素材になってた霊廟の守護者は、もうとっくに墓地にいるはずだ。そして今のサンボルは、確かにドラゴン族モンスターのドラゴンに乗るワイバーンを破壊した。なら……」
「何もしてこない、ねえ。となると何か、蘇生させたくない理由があるってこと?霊廟の守護者がフィールドに居座ってたら発動できないカードとか……」
言葉を繋ぎ、足りない脳をフル回転させての推測にかかる清明。彼の直感は、ここでの判断がこのデュエルの行く末を大きく左右すると告げていた。このままバハムート・シャークで攻撃するか、攻撃力800とはいえ先ほどサルベージしたサイレント・アングラーも通常召喚して戦闘に参加させるか、あるいは……そして、彼の腹が決まる。
「魔法カード、スター・ブラストを発動。ライフを500払うことで、僕の手札に存在するサイレント・アングラーのレベルを1つ下げる」
清明 LP800→300
サイレント・アングラー ☆4→☆3
いきなり下級モンスターのレベルを貴重なライフを払ってまで下げるという行動に虚を突かれたのか、困惑したような表情になる儚無みずき。しかし、彼は至って正気だった。
「このターンもバハムート・シャークの効果発動、ゴッド・ソウル!如法暗夜を引き裂くは、沈黙にして悪夢の刃。さあ出ておいで、N
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