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英雄伝説〜灰の騎士の成り上がり〜
第36話
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オリヴァルト皇子達が最下層に辿り着くと中央には黒き聖獣、その後方には虚ろな目をしたセドリック皇太子とテスタ=ロッサ、そしてセドリック皇太子の前に意識を失ったミリアムが寝かされており、最奥にはオズボーン宰相とアルベリヒ、ゲオルグが控えていた。


〜黒キ星杯・最下層”黄昏ノ始マリシ地”〜

「ミリアムちゃん…………!」
最下層に辿り着いたトワはミリアムの状態を見ると声を上げ
「……………………」
「セドリック…………やはり君は…………」
「うむ…………暗示で操られておる。」
「ジークフリードの件もそうだが、皇太子殿下の件も君が関わっているのか――――――ジョルジュっ!?」
虚ろな目をしたセドリック皇太子を見て真剣な表情を浮かべたオリヴァルト皇子の言葉に続くようにローゼリアは重々しい様子を纏って呟き、アンゼリカはゲオルグを睨んで声を上げた。

「…………Z組が来るかと思っていたけど、まさか君達が来るとはね、アン…………トワ…………」
「ジョルジュ君…………どうしてこんなことを!?」
重々しい様子を纏って呟いたゲオルグに対してトワは悲痛そうな表情で問いかけ
「今の僕は”黒の工房”の一員である”銅のゲオルグ”だ。”ジョルジュ・ノームという仮初”はもういない。」
「ジョルジュ…………く…………ん…………」
「どうやら本気のようだね…………」
ゲオルグの意志を知るとトワは愕然とし、アンゼリカは厳しい表情でゲオルグを睨んだ。

「フフ…………放蕩皇子に”紅き翼”の才媛、ログナー侯の娘に魔女の”長”か。招かれざる客だが――――――主催(ホスト)として歓迎させてもらおうか。」
「…………この期に及んで挨拶は結構さ。」
「そしてヌシが今代の”地精の長”か――――――”黒のアルベリヒ”よ。」
不敵な笑みを浮かべるオズボーン宰相の言葉に対してオリヴァルト皇子は真剣な表情で答え、ローゼリアはアルベリヒを睨んだ。
「フフ、初めましてと言うべきか。お会いできて光栄だ、緋色の魔女よ。それにその様子だと放蕩皇子達にも私達がしようとしている事等も説明しているようだから、説明する暇が省けて感謝しているよ。」
「フン、どの口が…………」
アルベリヒの言葉に対して鼻を鳴らしたローゼリアはアルベリヒを睨んだ。

「まず二つ、聞かせてもらおうか――――――”巨イナル黄昏”とは一体何なのだい?」
「それとミリアムちゃんに何をするつもりなんですか!?」
「ハハハ…………!”黄昏”を一言で説明するのは難しい。だが、エレボニアに掛けられた巨大な”呪い”を解くものであると言えるだろう。いや――――――”完成させると言うべきか。」
オリヴァルト皇子とトワの問いかけに対して声を上げて笑ったアルベリヒは気を取り直して説明をした。
「その呪いと
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