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英雄伝説〜灰の騎士の成り上がり〜
第36話
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か必ず、事を起こすことを彼は運命付けられていたのだ。ちなみに、取り除くことはおそらく女神にも不可能だろう。」
「そんな…………」
「……………………」
アルベリヒの話を聞いたトワは悲痛そうな表情をし、アンゼリカは重々しい様子を纏って黙り込んでいた。
「――――――馬鹿馬鹿しいとは思わぬか、そんなものに翻弄され続けるのは?だから私は、逆にその”呪い”を利用することを考えた。”巨イナル一”は強大だが、分割されたため”この次元”で及ぼす影響力は限定的だ。もし、”より練られた一つの鋼”に進化させた形で戻せるのならば――――世界を闘争の原理で染め上げ、人を遥かな高みへと導くことも可能だろう。」
「そしてそのために内戦が終結したばかりのエレボニアにメンフィル・クロスベル連合との無謀な戦争を強要させ、挙句の果てにはアルスターの民達を犠牲にしようとし、大恩あるリベールまで巻き込んだのか…………!」
「…………か、怪物…………」
「馬鹿な…………」
「――――――それを導くのが”巨イナル黄昏”。鍵となるのが白兎とその黒き聖獣というわけか…………」
オズボーン宰相の野望を知ったオリヴァルト皇子は怒りの表情で声を上げ、トワとアンゼリカは信じられない表情で呟き、ローゼリアは冷静な様子で推測した。

「フゥン…………――――――ま、でもそこにメンフィル(レンたち)を巻き込んだのは大間違いだったようね?」
「クフッ♪リウイお兄ちゃんやエヴリーヌ達どころか、ヴァイス達やセリカ達まで敵に回したんだから、絶対に計画は失敗するに決まっているようなものだよ。」
一方いつの間にか”黒キ星杯”に突入してアリサ達が突入した際に現れた突入地点で待機し、自身の魔力で錬成した小さな鳥を使い魔の代わりにして最下層に潜ませて状況を見守っていた”菫色の髪の少女”は真剣な表情を浮かべた後”自身の隣にいるエヴリーヌ”と共に不敵な笑みを浮かべた。

「そう、そこに横たわるのは”黒の聖獣”―――大地の至宝を見守るために女神に遣わされた存在だ。”巨イナル一”を抑えるために地精と魔女に協力した二聖獣の一方。900年前に穢され、呪いの大半を引き受け、己の存在を”聖地ごと深淵に封じた存在。”それを”剣”で屠ることで――――――”巨イナル一”を真に完成させる”黄昏”が始まる。その”剣”を完成させることが計画を始めるための前提条件だった。戦術殻と完全同期した、人にして武具でもある存在――――――不死の聖獣を屠れる”騎神用の武装”を錬成するための素材をね。…………本来は74体目にして最終型である”黒兎”を時間をかけて完成させる予定だったが…………想定外(イレギュラー)が起こった為、仕方なくそちらの73体目で代用する事にしたのだよ。――――――”自らの命と引き換えに”『終末の剣』へ昇華できる存在としてね
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