第35話
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どうして…………それに…………それに、あの黒衣の人は一体―――――!?」
「―――――お嬢様も察している通りです。かつてわたくしは結社の任務で、お嬢様のお父様を訊ねました。地精の一人として結社の依頼を受け”あるもの”を研究していた彼を。しかし開発結果をめぐって交渉は決裂し、わたくしはフランツ様と対峙しました。そして死闘の果て彼を殺めてしまったのです。しかし爆発事故の現場にはフランツ様の遺体はなく…………わたくしは会長に命を救われ、名前までいただきました。会長は言われました――――――『代償にラインフォルト家で働きなさい。期限はあの人が戻ってくるまででいいわ』。…………本当に生きているとは会長も思ってらっしゃらなかったでしょう。ですが事ここに至り、”契約”は完了しました。」
辛そうな表情で問いかけたアリサの問いかけに対してアリサにも語らなかった自身の過去を語ったシャロンは自身の得物を構え
「シャロンという名と、お嬢様がたとの思い出をお返しし、”死線”に戻らせていただきます。」
「…………シャ、ロン…………」
シャロン――――――執行者No.\”告死戦域”のクルーガーはアリサ達との決別を宣言し、クルーガーの宣言を聞いたアリサは愕然とした。
「…………そして君もここで立ち塞がるとはね。クロウ――――――いや、今は”蒼のジークフリード”と呼ぶべきか。」
「アンちゃん…………クロウ君…………」
「クク…………それでいい。どちらかというと数合わせだがせいぜい果たさせてもらおう。」
アンゼリカが真剣な表情でジークフリードを睨んでいる中、トワは辛そうな表情をし、ジークフリードは不敵な笑みを浮かべた後両手に導力銃をそれぞれ構えた。
「一度手放した”生”をゲオルグに拾われ…………虚ろな形だが、アルベリヒに繋いでもらった義理くらいはな。」
「…………やっぱり…………」
「仔細はわからんがそういうカラクリか…………」
ジークフリードの話を聞いたエリオットは複雑そうな表情をし、ユーシスは重々しい様子を纏って呟いた。そしてオリヴァルト皇子達を先に進ませる為にルトガー達の相手をするメンバーであるアリサ、フィー、ラウラ、サラ、トマスが前に出てルトガー達と対峙した。
「へぇ?その様子だと妖精や紫電のお姉さんたちがシャーリィ達の相手をして、他のメンツを先に進ませるつもりのようだねぇ?」
「クク、しかも守護騎士まで付き合ってくれるとは、先はまだあるってのに、随分と大盤振る舞いだな?」
「いや〜、さすがにメンツがメンツですので、私達も相応の戦力で挑まなければなりませんので、守護騎士として…………そしてトールズの教官として、”希望”になりうる生徒達の血路は切り開かせてもらいます。」
シャーリィとルトガーの問いかけに対して苦笑し
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