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英雄伝説〜灰の騎士の成り上がり〜
第35話
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がり、全身から黒い瘴気を吹き出し始めた!


〜カレル離宮〜

オズボーン宰相達が状況を見守っているとカレル離宮を中心とした空間に歪みが生じ、歪みが消えると空をも貫く黒紫の柱を放つ巨大な”杯”の形をした”何か”――――――”黒キ星杯”が顕れた!
「わぉ…………!」
「ハン……大したモンだな。」
「へぇ……?」
”黒キ星杯”を見たシャーリィとルトガーは感心し、マクバーンは興味ありげな表情をしていた。

「フン……既視感(デジャブ)か。」
「「……………………」」
一方ジークフリードは鼻を鳴らし、シャロンとクレア少佐は目を伏せて黙り込んでいた。
「…………まさかこんな事になっちまうとはなぁ…………」
レクター少佐は複雑そうな表情で呟いた後気を失っているミリアムに視線を向けた。
「――――――では、始めるとしよう。案内するがいい、地精の長にして工房の主。”黒のアルベリヒ”よ。」
そしてオズボーン宰相は号令をかけた後アルベリヒに視線を向けて指示をし
「畏まりました、偉大なる主よ。」
視線を向けられたアルベリヒは前に出て恭しくオズボーン宰相達に礼をした。そしてオズボーン宰相達はアルベリヒの先導によって”黒キ星杯”へと向かい始めた。


〜七耀教会・レグラム聖堂〜

「これは…………」
「ミリアム…………」
「団長…………ゼノにレオも…………」
「…………恐らくあの仮面の男が”蒼のジークフリード”とやらなのだろうな…………」
「うん…………ヴァイスハイト陛下の情報通り、確かにあのジークフリードって人は仮面で顔を隠してはいるみたいだけど、間違いなくクロウ君だよ…………」
「そしてやはりジョルジュも”黒の工房”の関係者だったとはね…………」
ローゼリア達の魔術によってカレル離宮の様子を見ていたアルゼイド子爵は表情を厳しくし、ユーシスは辛そうな表情をし、フィーとガイウスは真剣な表情で呟き、悲しそうな表情で呟いたトワの言葉に頷いたアンゼリカは厳しい表情を浮かべた。

「火焔魔人ともう一人は見た事がない人物ですけど…………あの人物も恐らく結社の執行者なんでしょうね…………」
「ああ。――――――執行者No.0”道化師カンパネルラ”。”リベールの異変”でも現れた”執行者”だ。それにしても療養中であったセドリックがいつの間にか回復していた事には驚いたが、まるで”人形”のように表情がないあの様子…………まさかとは思うが――――――」
「かつてのヨシュア君のように、”暗示”によってオズボーン宰相達に従わされているかもしれんな…………!」
不安そうな表情で呟いたエマの推測に頷いた後表情を厳しくしたオリヴァルト皇子の言葉に続くようにミュラーは怒りの表情を浮かべた。

「どう…………して…………」

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