第百三話 大国の狙いその二
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「心地よく酔うか」
「そうだよな、しかし」
ホーソーンも言ってきた。
「お米のお酒なんてな」
「アメリカには昔なかったからな」
「ああ、そうだからな」
こうホイットマンに言うのだった。
「異郷の酒だな」
「そのイメージだな」
「メインの酒じゃないな」
「そうなんだよな」
「ビールとかなら」
エリカも言う、エリカも飲んでいる酒は日本酒だ。
「わかるけれど」
「合衆国はです」
ルイスがここ言うことはというと。
「ビールも多いですがバーボンが有名ですし」
「私は基本あっち派なんだけれどな」
フォークナーも飲みつつ話す。
「この酒も美味いにしても」
「蒸留酒が有名なのは事実ですね」
「そうした国だな」
「私もバーボンは好きです」
ルイスは日本酒を飲みつつ話した。
「ロック、おつまみはナッツ類で」
「いいよな」
「ですが日本酒をお鍋で楽しむことも」
「こっちもいいのは事実だな」
「そうですね」
「ああ、どんどん飲めるな」
「そういえば」
エミリーは自分の杯の中の日本酒を見つつ言った。
「このお酒は清酒ね」
「三日前だったわね」
エリカがエミリーに応えた。
「濁酒飲んだわね」
「ええ、同じ日本酒でもね」
「全く違う感じがするわね」
「見た感じも味も」
「どちらもね」
「あれは濾過といいますか」
ボームがエリカとエミリーに話した、見れば単眼のその顔はもう真っ赤になっていて表情も陽気なものになっている。
「こしてです」
「ああなったのね」
「灰とか布を使ったのよね」
「最初は。お酒に間違えて灰を入れて」
そうしてしまってというのだ。
「お酒が澄んでそれを飲むと美味しく」
「飲まれだした」
「そうなのね」
「はい、そして絹等でこして」
そうしてというのだ。
「造ったりもしました」
「濁酒も美味しいですが」
ヘミングウェーの顔も先程より赤くなっている、そのうえでの言葉だ。
「清酒もまた美味しいものなので」
「幾らでも飲めますね」
「いや、困ったものです」
「二日酔いには気をつけるんや」
飲み続けるヘミングウェーにだ、トウェインは忠告した。
「自分最近毎日二日酔いやろ」
「はい、朝は」
「そやからな」
「そうした時はです」
二日酔いの朝はとだ、ヘミングウェーはトウェインに話した。
「お風呂です」
「やっぱりそれか」
「死にそうな身体を引きずって」
例えだがそう言うしかない動きでだ、ヘイミングウェーは近頃毎朝起きるとまずは風呂に入っているのだ。
「お風呂に入ります」
「ほんまにそうしてるしな」
「サウナに入り」
尚この宿屋では蒸し風呂という。
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