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【完結】Fate/stay night -錬鉄の絆-
第032話 6日目・2月05日『妄想心音』
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――Interlude
志郎とイリヤが家へと向かっている時にキャスターはアーチャーと会話をしていた。
「ねえ、アーチャー。少しいいかしら?」
「なんだね?」
「あなた………気づいているんでしょう?」
キャスターのそのセリフにアーチャーは少なからず体を震わせながらも背中を向ける。
その握られた拳はギリギリと力が入れられていた。
「なんのことをだね………?」
「そう。あえて白を切るつもりなのね。それなら私から言わせてもらうわ。
………志郎様はもうあなたが兄だという事に気づいているわ」
「………」
それでアーチャーは無言になる。
「余計な口は挟みたくないわ。でも、私は志郎様の悲しむ姿を見たくないのよ。
それはアーチャー、あなたも同じはずよ?」
「そうだ………私、いや俺も志郎の悲しむ姿は見たくない。
………しかし、どうすればいいというのだ。
確かに家から出る前の朝の時に志郎の様子がおかしい事はいち早く気付いた。
俺はそれを今回は見ぬ振りをしたがそれが何度もうまくいくはずがないと思っている。
いつかはこういう時が来ると思っていた。
だが、いざという時に俺には女々しいと言われようが彼女と面と向かえない………」
「自分が志郎様の事をなにも覚えていないことを恥じているのかしら?」
「それもある。そしていつか来るであろう別れの時に俺は志郎にどんな言葉をかけて消えればいいのか分からないんだ」
「そう………やっぱり難しい物よね。でも、一つ言わせてもらうわ。後悔だけはしないようにね………。
私達英霊は何度も後悔しながらもそれでも召喚されれば人類を守ってきたり色々とやっているわ。
なら一人の妹ぐらい守れないでどうするの………?」
キャスターは自身の過去を思い出しながらも後悔だけはしないようにとアーチャーに忠告した。
それでアーチャーも無言ながらも頷く。
「少し、私も熱くなりすぎたわね………。
でも、アーチャー。あなたはこの聖杯戦争が終わったら消えるつもりでしょうけど私はもし生き残れたら残るつもりよ」
「………なに? それはどういう」
「志郎様達だけじゃきっと志郎様の姉であるイリヤスフィールという少女を救えてもその先には進めないと思うのよ。
あなたはイリヤという少女の過去を話さないでしょうけども伊達に魔術師のクラスで呼ばれたわけじゃないから私には分かるのよ。
アーチャー………あなたの過去では聖杯戦争が終わった後に彼女は少なくとも一年もしないで死んでしまったのでしょう?」
「よく、わかったな。………ああ、イリヤは小聖杯として体に何度も魔術による強化を繰り返されていたために成長もストップしていて短命だった。
だから聖杯戦争が終結した一年後には………俺は、イリヤが憔悴してい
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