第3話『虎徹山』
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身体的特徴から外見で年齢を判別する事が難しい。
立奈や如月はぱっと見ただけでは中学1、2年生に見えるだろう。 ちなみに、天野は立石より背が高い。
「うぅ……思いっきりタメ口だったよ……」
「菜穂ちゃんが話しやすい方でいいよ」
「本当!? ありがとう唯ちゃん!」
そんな話をしていると、事務所の扉が開き中から一人の男性が出てくる。
「菜穂? 随分と騒がしいけど何かあったのか?」
「あ、パパ」
「徹也さん! お久しぶりです」
「おぉ、大翔君。 大きくなったね」
こちらも輝橋の知り合いのようだ。 長谷川の父親、ということは彼がこのログハウスのオーナーということか。
「こちら、オーナーの長谷川徹也さん」
「長谷川さん、今回はお世話になります」
「いえいえ、こちらこそ“聖”学園の部活に使っていただけるなんて光栄です」
大人達が難しい話をしている間、子供は子供で集まって話す。
「“聖”学園って名門校だよね? 大翔がそんなとこ行ってるなんて知らなかったなー」
「聖晶は東京とか京都に比べたら結構ゆるい方だけどね?」
「それでも補習常習犯なんだよね輝橋は」
「数II既に落としそうなんだけど助けて」
「知らん」
「ふふっ……」
輝橋と普段のようなやりとりをしていると、不意に長谷川が笑みをこぼす。
「え、何? 何で笑われたの?」
「そりゃ馬鹿にされたんだろ」
「うっそぉ!? 菜穂ちゃんまで!?」
「え? いや違うよ!? なんか、大翔は変わらないなぁって」
慌てた様子で両手を振って否定する。 そんな彼女の様子を見て、玲人達は思わず笑ってしまう。
「いやぁ〜菜穂ちゃん可愛いね〜。 輝橋ももっと早く紹介してくれればよかったのに」
「いやいや、紹介してどうすんのさ。 結構離れてるし、今日来なかったら接点ないよ?」
「可愛い女の子の連絡先は何個持ってても損しないの」
「また言ってるよ……」
相変わらずの天野に苦笑を浮かべる。
何故か天野は女子とお近づきになるのに余念がない。 天野自身顔立ちは良いので人気は高く、立奈に聞いた話では、一年女子の間ではファンクラブがあるとかないとか。
「そんなに集めてどうするんだ」
「うぇっ!? ま、まぁいいじゃん! 友達は多いに越したことはないんだからさ!」
理由を聞くとこの反応である。 何か企んでいるのだろうか。
「菜穂、ちょっと来なさい」
そうこうしているうちに、大人達の話は終わったようだ。
「何?」
「お客さんを小屋まで案内しなさい。 鍵は渡しておく」
「あれ、パパが案内するんじゃないんだ」
「そうしたいのはやまやまなんだが、町内会の急な呼び出
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