第3話『虎徹山』
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上げた少年と目が合った。
「菜穂ちゃん、久しぶり!」
少年もまた笑顔を浮かべて応える。
今日はなんだかいい日になりそうだ。 いつのまにか、先程までとは真逆のことを考えていた。
「大翔!!」
少し高い場所から声が聞こえる。 視線を上げると、事務所の二階らしき場所の窓から、身を乗り出している少女がいた。
当然見覚えがないので、声をかけられた張本人の方を向く。
「菜穂ちゃん、久しぶり!」
やはり知り合いらしい。 と、言うことはこのログハウスの経営関係の人間だろう。
「え? 誰?」
天野が不思議そうな声を出す。 当然の疑問だ。
「母さんの姉さんの息子夫婦。 の娘」
「待って、処理できない」
非常にややこしい関係性だ。 よくわからないが取り敢えず
「親戚の子、って事でいいんだよな?」
「んじゃそれで」
随分適当だな、というとまぁ重要な話じゃないし?と返される。 そうこうしている間に、いつの間にか先ほどの少女が降りてきていた。
「久しぶり、大翔。 最後に会ったのって大翔が高校に入る前だよね?」
「もうそんなに前かー……大きくなったね」
「大翔もかっこよくなったよ!」
いえーいとハイタッチを交わす。 そして、思い出したようにこちらの方を向いた。
「で、この人たちは?」
「徹也さんに聞いてない? 今日から2泊2日で合宿するうちの写真部のメンバー」
「羽音さん久しぶりー! さっき言ってたのって、やっぱり羽音さんの事だったんだ!」
「う……久しぶり……」
「で、この子はさっき言った母さんの姉さんの」
「親戚の子な」
「さっき言った親戚の子。 長谷川菜穂ちゃん。 このログハウスのオーナーの娘さん」
輝橋がお互いの紹介をし、それに合わせて軽く挨拶をする。
「よろしくね、菜穂ちゃん。 私のことは飛鳥って呼んで!」
「えっと……はい、飛鳥さん」
「なら私のことも唯と呼んでください」
「よろしくね、唯ちゃん」
女子は仲良くなるのが早い、というのはどこで聞いた話だったか。 早速名前で呼びあうようにしたらしい。
そんな彼女らを横目に、輝橋に気になっていたことを訪ねる。
「OI……ではないよな。 立奈と同じくらいか?」
「んにゃ、一つ下。 今年で中学三年生だったはず」
「そうだったんですか!?」
「そうだったの!?」
立奈と長谷川がハモる。 どうやら互いに年上、あるいは年下だと勘違いしていたらしい。 実際には逆だったようだが。
「わー、ごめんなさい! 私年下と思っちゃって!」
「だ、大丈夫です……だよ? 年下に見られるのは慣れてるから……」
魔女というのは、その
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