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ある晴れた日に
641部分:悪魔その二

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悪魔その二

「さもないとまた竹林みたいな奴が出るし」
「警察が手出しできなくてもな」
「確かな証拠突き出すか?」
「それ掴んでか?」
 こんな言葉も出た。
「そうしてあいつを捕まえるか?」
「そうするか?」
「確かにそれが一番だけれど」
「けれどよ」
「それってできるの?」
 女組は暗い顔になって彼等のその言葉に問うた。
「親が弁護士でその親がやばい組織とも一杯つながってる相手に」
「そんな証拠なんて」
「掴めるかしら」
「それは」
「言われてみれば」
 男組もこう言われると口篭ってしまった。それが極めて至難な、不可能に近いことであるのは彼等も嫌な程よくわかっていることなのである。
 だからこそ口篭ってしまい。言えなくなったのである。
「それは」
「無理か」
「残念だけれどな」
「確かにそうできればいいわよ」
「もうそれがね」
 彼女達もそれはよくわかっていた。
「けれどね、それはね」
「どう考えても滅茶苦茶難しいし」
「不可能だよ」
「何とかしたいんだけれどな」
「全くな」
「今のところね」
 ここで竹山がまた皆に話してきた。
「吉見の家を探してるけれど」
「見つかった?」
「それで?」
「事務所はわかったよ」
 父親のものは、であった。
「その住所とか名前はね」
「それはわかったのかよ」
「他は」
「後は調べてる最中だよ」
 それ以外はわかっていない。要するにこういうことであった。
「ただね。神戸にいるみたいだね」
「この街にいる」
「それは間違いないのね」
「うん、それは確かだよ」
 こう皆に答えるのであった。
「それはね」
「神戸にいてそれで金は持ってそうだし」
「それなら限られてくる?」
「そうだよな」
 皆竹山の話を聞いていてある程は分析できた。それはである。
「それだと」
「相当悪どく儲けてるみたいだしね」
 また言う竹山だった。
「父親はね」
「あれだけテレビに出てて」
「しかも弁護料もあれば」
「お金にはなの」
「多分脱税もかなりしているだろうし」
 竹山はこのことも憶測しながら述べた。
「そっちもね」
「何か余計に悪い奴みたい」
「だよな、おまけに脱税って」
「悪いことばかりしてるじゃない」
「世の中そういう人間もいるってことね」
 恵美の口調はいつも通りクールだったが目には怒りの光があった。
「結局のところは」
「そういうことだね。世の中にはそうした人間もいるんだ」
 竹山は携帯を閉まった。そのうえでまた言うのだった。
「どんな悪事をしても何をしても全く平気な人間がね」
「確かそんな人間って」
「サイコパス?」
「そう言ったよな」
「そうだよ」 
 竹山は皆の問いに答えた。

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