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ある晴れた日に
640部分:悪魔その一
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悪魔その一

                      悪魔
「この前は成功したよな」
「ああ」
「確かにね」 
 皆教室で植物園のことを話していた。
「未晴が動いたなんて」
「奇跡よ、あれは」
「そうよね、本当に」
「まさかって思ったけれどな」
 このことを純粋に喜んでいた。それで和気藹々として皆で話していた。 
 しかしここで。ふと凛が言った。周りを見回して。
「あれっ、少年は?」
「北乃?」
「あれっ、そういえばいないけれど」
「さっき登校してきたのに」
「今飼育小屋行ってるよ」
 茜がここで皆に話した。
「そっちにね。行ってるわよ」
「ああ、そういえばあいつ飼育委員だったよな」
「そうそう」
「花壇の世話もやってるし」
 皆このことを思い出したのであった。
「だからか。今いないのは」
「それでなのね」
「そういえば桐生もいないな」
「そうね」
 このことにも気付いたのだった。見れば彼もいない。
「あいつも飼育部員だったっけ」
「確か」
「だからなの」
 皆このことも思い出したのだった。最初の頃に決めて当の係以外は皆忘れてしまっていた。そんなことは何処にでもよくある話である。
「いないんだ」
「だからか」
「まあそっちも頑張って欲しいし」
「そうよね。皆の兎だし」
「ちゃんとしてもらわないとね」
 こう言ってその話はそれで終わらせるのだった。
 しかしである。ここで竹山が言うのであった。
「そういえばだけれど」
「そういえば?」
「何かあったの?」
「うん、ちょっとね」
 こう応えてから皆に話すのであった。
「気になるニュースを見たんだ」
「まさか」
 それを聞いて最初に反応を見せたのは恵美だった。
「あいつのことなのね」
「うん、また学校の動物が殺されたり公園の花壇が荒らされたんだって」
「またかよ」
「またやったのね」
「うん、みたいだね」
 このことを皆に話すのだった。
「今朝のニュースでやってたよ」
「御前そんなの何時チェックしたんだよ」
 野本がここで彼に尋ねた。
「朝起きてすぐに俺を起こしに来たんじゃなかったのか?」
「今は携帯があるから」
 こう言ってその携帯を取り出してみせた。黒い色の携帯である。
「これでさっき」
「そういえば何か携帯見てると思ったらそれかよ」
「そうだったんだ。実はね」
「それであいつのニュースが出てたんだな」
「一応犯人は不明ってなってるよ」
 それはわかっていないという。彼等にしても確かな証拠は持っていない。しかしそれでもそれはもう確信できるものになっていたのである。彼等の中ではだ。
「けれどね」
「あいつ何かしたいな」
「だよな」
 まずは男組が顔を顰めさせて言った。

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