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レーヴァティン
第百十六話 騎馬民族平定その四

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「時間は」
「そうでござるな」
「夜で一番気を抜くの何時か」
「夜襲に気をつけて」
「その時間はな」
 何時かとだ久志は腕を組んだまま述べた。
「明け方か」
「その時でござるか」
「ああ、やっと夜が終わってな」
「空が明るくなり」
「夜襲もなかったと思う」
「まさにでござるな」
「一番気を抜くよな」
「では」
「俺達としてはな」
「夜明けにでござるな」
「備えるか。勿論夜もな」
 この時間帯全てでというのだ。
「警戒してな」
「そして夜明けには」
「特にな、そこで来てもな」
「迎え撃つでござるな」
「ああ、そうするか」
「では」
「備えておくか、それでお前はな」
 久志は進太にさらに言った。
「敵が馬に乗って弓矢を使ったらな」
「その時にでござるな」
「騎馬隊を突っ込ませてくれるか」
「そしてでござるな」
「敵を崩してくれるか」
「承知したでござる」
「そういうことでな。しかし俺の思った通りならな」
 久志は西、ヌミディア軍がいるというその方角を見つつさらに言った。
「水源をあえて餌にして夜明けに攻めてくるならな」
「知恵者でござるな」
「俺が読んでいてもな」
 それでもというのだ。
「相当なもんだな」
「そうでござるな」
「ああ、それならヌミディアの中にもな」
「優れた人材がいるので」
「そいつを重く用いるか」
 こう言うのだった。
「そうするか」
「それもいいでござるな」
「そうだよな、優れた人材はな」
 それこそとだ、久志はさらに言った。
「一人でも多く欲しいしな」
「この浮島を統一してでござるな」
「世界を救う為にな」
 是非にと言うのだった。
「欲しいからな」
「では」
「ああ、ヌミディアとのカタがついたらな」
 その時はというのだ。
「その人材を雇おうな」
「それでは」
「その話もしような」
「是非共」
 進太も頷いた、それで久志はすぐに将兵達に交代で居間から休養を取らせ眠らせた。そうしてだった。
 夜になるとだ、彼等に周りを警戒させたが。
 自身の天幕から起き上がった彼は戻って来た斥候達に尋ねた。
「どうだ、敵の動きは」
「はい、闇夜に紛れてです」
「こちらに向かっています」
 斥候達は久志に答えた。
「ですがそれでもです」
「今すぐにここには来ないかと」
「来るのは距離から見て明け方」
「その頃です」
「やっぱりその時間か」
 久志は斥候達の話を聞いて述べた。
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