第百十六話 騎馬民族平定その二
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「どんな時でも食わないとな」
「人は生きられないからね」
「そして戦えないだろ」
「腹が減ってはだね」
「幸い敵は今は周りにいない」
「食べている時に襲われないね」
「幾ら連中が騎馬隊でもな」
機動力に優れる彼等でもというのだ。
「今食うとな」
「襲われる心配はないね」
「ああ、だからな」
「今のうちにだね」
「食おうな」
「それじゃあね」
剛も頷いてだった、久志は全将兵達に食事を摂らせた、丁度昼飯時だったが敵が見えない今こそと判断してだ。
彼は自分も含めて食事を摂らせた、既に焼いて置いておいた日持ちのするタイプのパンに酢漬けの野菜にソーセージといったメニューだ。
その酢漬けの野菜、キャベツや人参のそれを食べつつだった。久志は今度は源三に対してこんなことを言った。
「野菜の酢漬けってな」
「はい、ビタミンを破壊されないので」
「こうした時に食うとな」
「尚いいです」
「戦場じゃビタミンの補給しにくいからな」
「特に船の上では」
「ああ、大航海時代とかな」
久志はキャベツの酢漬けを食べつつ述べた。
「長い間野菜食ってなくてな」
「それで、です」
「壊血病にもな」
「なっています」
「そうだよな」
「ですから余計にです」
「野菜の酢漬けとかはな」
久志はさらに言った。
「大事だよな」
「戦場、特に船の上では」
「そうだよな」
「若し壊血病になると」
「戦どころじゃないからな」
「はい、ですから」
「こうして戦場に持って行くことはな」
「欠かせないです、お肉やパンも重要ですが」
こうした食事もというのだ。
「非常に」
「炭水化物や蛋白質もな」
「そしてビタミンもなので」
「保存が利くしな」
「我々もです」
「こうしてな」
「持って来ていて」
それでというのだ。
「正解です」
「そうだよな」
「はい、では」
「今は食ってな」
「英気を養いましょう」
「是非な、しかし鉄砲は強いけれどな」
久志は今度はソーセージを食べている、そうしつつ源三に話した。パンは見ればビスケットに近い。
「間合いがな」
「ヌミディア軍の弓矢の射程を聞きますと」
「少しだけれどな」
「短いですね」
「ああ、どうもな」
こう言うのだった。
「半島での戦いでは思わなかったけれどな」
「そうですよね」
「ああ、けれどな」
「ヌミディア軍との戦いでは」
「敵の弓矢の射程が長くてな」
それに加えてというのだ。
「さらに馬だからな」
「すぐに間合いを開けられますね」
「そのせいでな」
「この度の戦では」
「射程が気になるな、術もな」
それもと言うのだった。
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