2部 Aincrad:
第3章 儚想のエレジー 2024/10
25話 行動開始
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いう組織の解体、分かりやすいが犯罪行為を行っていたプレイヤーが野放しとなるだろう。
ならば犯罪行為をしたプレイヤーのみの拘留を達成条件とするにも、どのプレイヤーが該当するかは不明。武装したまま第一層に潜って非戦闘プレイヤーを恐喝していたとはいったものの、刑法に照らし合わせれば立派な犯罪なのだろうが、ここを統治する法は日本国のそれではなく、カーディナルによって与えられたものだ。頭上のカーソルが変色しなければ恐喝も交換譲渡の交渉手段にしかならないのだ。
「アルゴ、第一層近辺で恐喝を繰り返してる《軍》のプレイヤーの情報は」
「オイラはいじめ相談室でも電話帳でもないゾ」
そりゃそうだ、と溜め息交じりに肩を竦めた。
《軍》全員の素行を調査済みであったならば、それはもう情報屋ではなく探偵事務所だ。
それにアルゴなら、販売可能な情報は在庫を提示してくるだろう。流石に便利に考え過ぎた。
「そうすると地道に情報は足で稼ぐべきかな。いや、下手すりゃ適当に一人捕まえれば芋づる式に……」
「仲間内の信頼関係とか報復とかで話したがらない可能性もあるけどナ」
「まあそうなるか」
道理だ。
むしろ口を割ったとして得られた情報が真実という確証もない。
だが、そうなると堂々巡りに陥るわけで、進展はなくなる。
「達成条件は犯罪行為を行ったプレイヤーへの制裁、その上で《軍》の解体か。字面だけ見ればギルドが連合組んで実行するような規模だぞ」
「そして大人数での行動は避けるべき、ってことカ。高難易度ってレベルじゃねーナ!」
楽しそうに笑いながら、想定以上に会議の根幹を為すアルゴを見る。
俺はこれまでの他のプレイヤーが抱くような銭ゲバ像をアルゴに見出してはいない。しかし、無条件に行動するほど直情的な人物でないことも同時に理解している。心強いのは確かだ。だからこそこういう時に何かしら無理を強いているのではないかと勘繰ってしまう。
「それじゃとりあえず、聞き込み的な地道な情報収集はオネーサンの専売特許ってコトで」
時間が勿体ないとばかりにアルゴは席を立つ。
店の出口の木戸に手を掛けながら、振り返ることもなく情報屋は言葉を投げかけた。
「リンちゃん、あまり一人で抱え込むなヨ?」
言い残し、微かに口角が嬉しそうに上がっていたアルゴは凄まじい敏捷性で跳躍しては去っていく。
店内に残された三人は一先ず顔を見合わせた。聞き込みはアルゴが引き受けてくれたのだ。本当ならば金銭を支払って、この件についてはきちんと清算しておきたかったのだかそれは叶わないらしい。ならば俺達は俺達に出来ることをするしかないか。
それにしても、一人で抱え込むな、か。
今更頼ろうとしても
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