暁 〜小説投稿サイト〜
ソードアート・オンライン‐黒の幻影‐
2部 Aincrad:
第3章 儚想のエレジー  2024/10
25話 行動開始
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はあらへん。わいらはプレイヤーを開放するために立ち上がったんや。それやのに弱いもんを力で抑え付けて支配するんは絶対に間違うとる」


 組織の解体以外に過ちを糾せない段階まで、腐敗は進行している。
 キバオウの認識は恐らく正しいだろう。残酷ではあるが、その腐敗は修正し得ない。
 この場に立ち会ってしまったことを不運とするか、不幸とするかは情報量が過大で脳が理解を拒否しているが、その中でも俺の中では答えが定まりつつあった。同時にその選択が後に後悔することになることもおおよそ推察出来ていた。

 にも拘らず、だというのに、こういう時に限って、俺はどうにも貧乏籤を好んで選ぶ習性があるようだ。


「そうか」
「すまんかったな。せやからここからは―――」


 食い気味に割って入るキバオウの言葉を最後まで聞くことはなかった。大方巻き込まないようにするために何かしらの言葉を述べようとしたのだろう。
 そもそもこの発言は彼に向けてのものではなく、どこか悲観的に、それでも自分を受け入れて腹を括る為の儀式に近い。


「じゃあ作戦会議だ」


 キバオウは呆気にとられた顔で俺を見る。
 もし俺が俺の目の前に居たら、多分キバオウと同じ表情をするだろう。
 要するに放っておけなかったのだ。アインクラッドにて最大人員を誇る大所帯の中枢にいながら、それでいて立つ瀬も寄る辺もないこの男が、どこか自分と重なってしまったのだろう。彼が独りで破滅していくのを黙って静観してしまうと、それが自分の行く末のように思えてしまったのだから。


「心情的なものだ。気にするな」


 端から聞けば意味不明な前置きにも呆けた表情を向けるキバオウと俺を見ながら、アルゴはどこか笑っているようだった。何が楽しいのやら。
 とはいえ、感慨に浸るなんて偉い立場でもない。止まれば動けなくなるような、惰性で動き続けていられるようなか細い存在だ。心情的には相対的に助けるつもりだが、精神的には縋る藁にもなりはしない。こんなことを俯瞰しているあたり、それなりに俺は終わりかけなのだろうな。


「それで、どうするんダ? 明確にボスモンスターを倒せば解決するような話でも無いんだロ?」


 会議開始。
 口火を切ったのは傍観者となっていたと思われていたアルゴだった。
 方向性のない無軌道な会議になるようなことにならないだろうが、会議に参加するとなるとアルゴも他人事で済ませるつもりはないということになる。なんというか、こうして手を貸してくれるのは心強い。


「それについてなんだが、先に達成条件を整理していきたい。《軍》を潰すって一言で言ったところであまりにも抽象的すぎる」


 潰す、という言葉で連想するものは数通りある。

 《軍》と
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