第百二話 大社の中でその十一
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「その傾向あるよね」
「津軽といい鹿児島といい」
「他の南北の地域もやね」
「秋田とか熊本とか」
「結構以上に凄いわ」
「そうだよね」
「ところがこれが」
ここで言ったのはオニールだった。
「北海道や沖縄はそうでもないのがな」
「ああ、それ不思議やわ」
ミニーはオニールのその言葉に頷いて応えた。
「千歳ちゃんや又吉っちは方言強ないから」
「あれがね」
「ちょっと不思議やね」
「それは事情があるでごわす」
北原はアメリカの人の星の者達にその事情も話した。
「北海道は元々アイヌの人達の場所で、でごわす」
「ああ、そこに本土の人達が移住して」
「それで今に至るから」
「そやからですね」
「その結果で」
「だから方言は青森とかより訛りが緩やかでごわす」
そうだというのだ。
「沖縄も方言があるでごわすが」
「あそこにしてもですか」
「あえてそういう風にした鹿児島弁よりもですか」
「訛りが強ないですか」
「そうなんですか」
「そういうことでごわす、昔の薩摩弁は隣の熊本の言葉よりも」
そちらよりもというのだ。
「遥かに強いでごわすからな」
「そういうことですか」
「その辺りの事情わかりました」
「北海道や沖縄のことも」
「そうした事情があるんですね」
「そうでごわす、あと皆が話している関西弁でごわすが」
こちらはというと。
「おいどんから見ると標準の関西弁でごわすな」
「標準の関西弁?」
そう言われてだ、ルイーザは首を傾げさせた。ただし表情はそのままでそれが変わることはなかった。
「それは一体」
「関西弁と言っても色々でごわす」
「その場所で違うの」
「大阪と京都で違うでごわす」
同じ関西弁でもというのだ。
「そしておいどん達がいる神戸でも奈良でも和歌山でも滋賀でもでごわす」
「そうなの」
「あと東海でごわすが」
こう前置きして出す場所はというと。
「三重もでごわす」
「三重は関西じゃ」
こう言ったのはミッチェルだった。
「そう思ってましたけど」
「いや、あそこは東海でごわす」
「そうでしたか」
「関西に本当に近いでごわすが」
それでもというのだ。
「東海でごわすよ」
「名古屋とか静岡の地域ですか」
「この世界では近畿の勢力圏だったでごわすが」
これは三重即ち伊勢と志摩を勢力圏にしていた吉川が近畿を治める綾乃達の勢力圏に加わったからそうなったことだ、彼は自分の器を見て綾乃達の陣営に入り世界を救うことを選んだのだ。それでこの世界では伊勢と志摩は近畿だと思われるのだ。
「しかし実はでごわす」
「関西やなくて」
「そういうことでごわす」
「そうでしたか」
ミッチェルもここまで聞いて頷いた。
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