第六十五話 新たな旅路
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」
「そうなると早速エルヘブンへと向かう人選をしなければなりませんな。探索する人数が多すぎてもかえって不都合になりますし」
口髭に手をやりながら、オジロンさんがそう呟いた。
「僕は当然行くとして、ミレイは共に来てくれるかい?」
「ええ、もちろん。レックスとタバサも連れて行くわ」
実戦を経験する機会は多ければ多いほどいい。いくら練習したところで本番での経験値がなければ成長は難しいという事を私はよく知っている。だからこの2人を連れて行くのは確定事項だった。
「後はもう少し武器での攻撃担当が欲しいから、ピエールとジョーも連れて行く」
「これで6人。うむ、これぐらいでちょうど良いでしょう」
「準備はどのくらいで出来そうか?」
「明日までには準備が出来そうです」
「では、明日エルヘブンへと出発する。以上で会議を終了する」
会議が終了し、私はアベルと共に会議室を出た。
「僕はみんなに明日の事を伝えに行くが、ミレイはどうする?」
「私も一緒に行くわ。みんな今頃訓練場にいるはずよ」
訓練場までの道のりを歩いていると、アベルとこうして2人で並んで歩くのは何気に初めてだなとふと思った。今まではアベルの横にはヘンリーだったりビアンカが立っていた。
「ビアンカ、大丈夫かな?」
「あの醜悪なゲマの事だ。きっと命だけは無事だろう……。それ以外は平然と踏みにじっている事やあいつの悪意が信頼の根拠と考えると、とても忌々しいが」
吐き捨てるようなアベルの言葉には、それだけで殺せてしまいそうな程のドス黒い感情が込められていた。
「そうね。あの下種ならきっとそうするものね」
気がつけば私もそんな事を口走っていた。私にもあいつに対する嫌悪や憎悪がそれなりに蓄積されていたらしい。
「だからこそ、僕たちは一刻も早くビアンカを助け出さなければならない。……これ以上あいつらに僕の人生を踏みにじらせるものか」
「そうね。絶対助けましょう。……着いたわ」
訓練場に入るとレックスとタバサが魔物達と戦闘訓練をしていた。私達に気づいたのか訓練をやめて駆け寄ってきた。
「先生、お父さん!僕ついさっき新しい呪文覚えたよ!」
「私も新しい呪文を覚えました。後で見てもらえませんか?」
嬉しそうに語る2人の様子にさっきまで胸に硬く張り詰めていたものが緩んだ気がした。
「わかったわ、後で見てあげる」
「僕も後で見てあげるよ」
「やった!」
「それで、先生とお父さんはどうしてここに?」
「明日の事について話す事があってね」
その後私達はビアンカが光の教団の本拠地セントベレス山にいる事、セントベレス山は普通の方法じゃ到底登れない事、その方法を探るべくアベルのお母さんであるマーサさんの故郷であるエルヘブンに明日出発する事、エルヘブンに行くメンバーを伝えた
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