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【完結】Fate/stay night -錬鉄の絆-
第027話 5日目・2月04日『動き出す非日常』
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ライダーは、

「もうここには用はありません」

そう言って赤い結界を解除した。
すると周囲は結界が解かれたからなのか静けさを取り戻した。

「………何? なんのつもりだ、ライダー?」
「言ったでしょう? もうここに用はないと。それと、ふふ………着いてきなさい、アーチャー」

そう言ってアーチャーを誘う言葉を発してライダーはその敏捷性で場から逃走を開始した。

「アーチャー追って!!」

凜の叫びが響く。

「だが!………わかった!」

少し考えたアーチャーはすぐにライダーを追ってその場を後にした。
そしてその場に残された志郎と凛は協会へと連絡を入れて騒動に巻き込まれる前にすぐさまその場を後にした。
藤ねえ達を残していくのは心が痛んだが今この場ではしないといけない事があるという事でセイバーと凛を連れて志郎はとある場所へと向かう事にするのだった。

「………ねぇ志郎。どこに向かおうっていうの?」
「そうですシロ。ライダーは追わなくてよろしかったのですか?」
「うん。アーチャーには悪いけど私と慎二くんとの間にある茶番劇には付き合ってもらう」
「………茶番劇? それって………それにこの向こうって」
「今はまだ」

それ以降は無言になる志郎。
しばらく歩いた三人が着いた場所は衛宮の武家屋敷の前だった。
そこには、

「………やぁ衛宮。それに遠坂」

そこには気絶している桜を背中に抱えている慎二の姿があった。

「………間桐くん。どういう事? なぜあの結界を起動したの? それになんで桜を抱えているの?」

当然、凛は慎二にそう問いかけた。
だが慎二はなにも答えずに志郎に目を合わせてライダーと同じく胸を右手で二回叩く動作をした。

「(やっぱりあの時の合図が通じていたんだ)」

それで意を決した志郎は慎二と同じように胸を叩いた。

「衛宮………ありがとう。信じるからな」

そう言った慎二は意を決して衛宮の武家屋敷の門を強引に突破した。

「ちょっ!?」
「凛さん、追うよ!」
「ちょ、ちょっと少しは私達にも分かりやすく説明しなさいよ!」

桜を抱えている慎二は屋敷の敷地内に入るとその場でへたり込んでいた。

「はぁ、はぁ………」

息切れを起こしていた慎二は三人が来たことを確認し、

「これで、いいんだよな?」
「うん」

慎二の言葉に返答する志郎。
果たして二人はなにをしようとしているのか………?
それだけが凛とセイバーの疑問だった。

「これで、桜を救えるんだな」

慎二のセリフがこの場一体を包み込んだ。



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