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【完結】Fate/stay night -錬鉄の絆-
第027話 5日目・2月04日『動き出す非日常』
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それで凛はそれを承諾して思念通話を切る。

「志郎。なにか大切な事でしょうからさっさと終わらせましょうか」
「え? う、うん。………凛さん、すっきりした表情だけどなにかあったの?」
「えっ? そんな顔してる?」
「うん。でも悩んでるよりかはいい顔だと思うな。やっぱり凛さんは綺麗だし」
「うっ!」

志郎の自然な不意打ちに凛は顔を赤らませる。
凛はここ数日の志郎との付き合いで志郎はいい意味で思った事は隠さずに言う子だという事は理解していた。
今回も志郎にとっては自然に発したセリフなのだろう。
だが凛にとっては慣れないものだった。
普段は優等生の顔をしているのであまり深い付き合いがない凛である。
綾子でもここまでじゃないのだからこの反応も仕方がない。
しかし志郎にとってはこれが普通なのだ。
志郎は不思議な魅力を持っている。
だからどんな人からも好かれているのだしこの笑顔を守りたいという輩も出てくるのも不思議じゃない。
当の凜でさえそんな事を思ってしまうほど志郎に好意を持ってしまっている一人なのだ。
この子の悲しい顔は見たくないと自然と凛も思うようになり、言葉選びも慎重にやっている。
心の贅肉じゃないけどこの子には自然と逆らえないんだろうな………と凛は思っている。
そんな凜の心情など知る由もない志郎は凛の反応に首を傾げる。
そんな仕草でさえも愛らしい。
凛は志郎を抱きしめたい衝動をなんとか抑えながらも、

「お、おだてたってなにもでないんだからね」

腕を組んで明後日の方に顔を向けるしかできなかった。

「あはは。そんなつもりはないんだけど………」

志郎も頬を掻きながらも笑みを浮かべる。
そしてそんなやり取りを霊体化しているアーチャーは客観的に見ながら、

(ふむ………志郎はスキルに魅了の効果でも持っているのだろうか。あの凛がここまで照れる姿も珍しい)

と思っていた。

「それじゃセイバーと合流しようか」
「そ、そうね」

それで志郎はセイバーへと思念通話を送ろうと意識を集中させようとしたその時だった。
外から………正確に言えば弓道場のある方向から悲鳴が聞こえてきたのは。

「なにっ!?」
「この悲鳴って!」

二人は思わず窓から顔を出して弓道場へと目を向ける。
そして目撃する。
弓道場だけ限定に赤い結界が展開されているのを。

「まさか!? 弓道場に張ってあった結界が起動されている!?」
「そんな! 慎二くん…!」
「志郎、落ち着いて! とにかく急いで向かいましょう! アーチャー!!」
「わかった」

それでアーチャーが実体化して志郎と凛を両脇に抱えて窓から飛び立つ。
誰かが見ているかもしれないが今は度外視した。
目撃者は後日に協会関係者が
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