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英雄伝説〜灰の騎士の成り上がり〜
第33話
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「…………失礼するぜ…………」
「そなたは…………」
「内戦中愚連隊めいたチームを率い、ラクウェルを襲った野盗団を撃退したアッシュ・カーバイドか。ハーメルの”3人目の遺児”が何用だ?」
アッシュの乱入にユーゲント皇帝が戸惑っている中、オズボーン宰相は落ち着いた様子でアッシュに問いかけた。
「ハーメル…………そう因果が巡ったか。」
アッシュが”ハーメル”の遺児である事を知って血相を変えたユーゲント皇帝は重々しい様子を纏って呟いた。

「眼がさ、左目が疼くんだよ…………ガキの頃からずっとだ…………あの光景が焼き付いて離れねぇ…………オフクロを看取った時もそうだ…………ずっと…………声も聞こえてよ…………”一番悪いヤツを殺せ、コロセって”………」
アッシュはかつての出来事を思い返しながら呟き
「…………村を襲った猟兵どもは皆殺し、首謀者もアンタが全員処刑した…………ハーメルの名も地図から消えた…………許したのは皇帝のアンタだ…………黙認したリベールの女王やメンフィルの皇帝ってのも同罪かもしれねぇ…………オレを置き去りにしてまんまと逃げた”あの二人も”…………」
やがて全身に赤黒い瘴気を纏わせ、懐から銃を取り出した。
「…………なあ…………教えてくれよ…………この疼きを消すのに…………オレは”誰”を殺りゃあいいんだ…………?」
そしてアッシュは赤黒く光る左目を抑えながら銃をユーゲント皇帝達に向けた!

「これが呪いか…………」
「ええ…………此度の”贄”でしょう。」
一方落ち着いた様子で呟いたユーゲント皇帝の言葉に頷いたオズボーン宰相が前に出た。
「――――――当然、私が妥当だろう。ただし心臓は止めておくがいい。無為に終わるだろうからな。ここだ、ここを狙うがいい。上手く行けば”万が一”はあるだろう。」
「…………ぅぁ…………」
不敵な笑みを浮かべて自身の手で自身の額を指差しているオズボーン宰相に対してアッシュは今にも撃ちそうな状況だった。

「無駄だ、アッシュとやら。その者は既に人外――――――おそらく果てることはない。」
「陛下…………」
「…………また若者に無為をさせる必要はあるまい。」
「!」
立ち上がったユーゲント皇帝の言葉にオズボーン宰相が血相を変えたその時、ユーゲント皇帝がアッシュと対峙した。

「――――――アッシュよ。ハーメルの責は全て余にある。長年の苦しみから解き放たれるがよい。」
ユーゲント皇帝は全てを受け入れたかのように静かな笑みを浮かべて片手をアッシュに差し伸べた。
「ふざけんな…………なんでそんな…………うおおおおおおおっ…………!!」
そしてアッシュの左目が一際強く疼いたその時、アッシュはユーゲント皇帝目掛けて銃撃した!

「陛下、宰相閣下!?今の銃声は一体
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