第32話
[1/14]
[8]前話 [1]次 最後 [2]次話
〜太陽の砦〜
「ヴァ、ヴァイスハイト陛下が僕達Z組やオリヴァルト殿下に聞きたい事、ですか?」
「ヴァイスハイト陛下は一体何を知りたいのでしょうか?」
ヴァイスの問いかけを聞いたエリオットは戸惑いの表情で答え、ガイウスは真剣な表情でヴァイスに問い返した。
「遠回しな言い方は止めて、直截に尋ねる。”ハーメルの悲劇”と”百日戦役”に加えて”貴族派”と”革新派”を纏めきれず内戦を勃発させた責任を取らない所か、メンフィル・クロスベル連合、そして”アルスター襲撃”を利用してエレボニアの代わりに2度ものメンフィルの”怒り”を鎮めたリベールとまで戦争するつもりでいる”鉄血宰相”を止めないユーゲント三世を皇帝の座から引き摺り下ろさないのか?」
「な――――――」
「ユ、ユーゲント皇帝陛下を皇帝の座から引きずり下ろすって………!」
「”帝位簒奪”…………!」
「何故自分達もそうですがオリヴァルト殿下にそのような恐ろしい事を訊ねたのでしょうか?」
ヴァイスの問いかけに仲間達がそれぞれ血相を変えている中ミュラーは絶句し、アリサは信じられない表情で声を上げ、ラウラは真剣な表情で呟き、ユーシスは目を細めてヴァイス達に問いかけた。
「お前達と同じ”Z組”であったリィンとセレーネ、そしてオリビエの妹であるアルフィン皇女もエレボニアを救う為に、メンフィル・クロスベル連合側になる事を決意したのだからな。その関係者であるお前達はこの状況でどうするつもりなのか、興味本位で聞いたのだ。内戦でのお前達の行動を考えると、今回の戦争を双方納得できる結末を探る為に行動するのだろうが…………俺達メンフィル・クロスベル連合もそうだが、リベールにすら恩を仇で返す”鉄血宰相”相手にそのような”甘い考え”が通じると思っているのか?」
「そ、それは………………」
「………………………………」
「ハハ…………確かにあの宰相殿に加えてリウイ陛下達まで説得するなんて至難の業だろうね。だけど何故そこで父上の帝位を簒奪する話に繋がるんだい?」
ヴァイスの指摘に何も答えられないトワは辛そうな表情で答えを濁し、アンゼリカは重々しい様子を纏って黙り込み、疲れた表情で呟いたオリヴァルト皇子は表情を引き締めてヴァイスに訊ねた。
「セドリック皇太子は療養の身、アルフィン皇女はエレボニアからの追放処分を受けた以上、唯一今も無事に活動しているユーゲント皇帝の血を引くお前がエレボニア皇帝に即位すれば、皇帝が持つ権限でエレボニア帝国政府にリベールもそうだが、メンフィル・クロスベル連合との和解を命令する事で、エレボニアと緊張状態に陥っている三国との関係を和解させる事ができるだろうが。――――――最もその過程で和解の障害となる”鉄血宰相”を殺す必要はあるがな。」
「オ、オリヴァルト殿下がエレボニア皇帝に
[8]前話 [1]次 最後 [2]次話
※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりを挿む
[7]小説案内ページ
[0]目次に戻る
TOPに戻る
暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ
2024 肥前のポチ