第32話
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”後戻りできない”とは思っているだろうな。」
「そ、それは……………………」
「………………………………」
ヴァイスの推測を聞いたトワは不安そうな表情で答えを濁し、ユーシスは目を伏せて黙り込んでいた。
「自ら退路を断ち、己の目的の為に前に進み続ける覚悟を決めた以上、リィンは今回の戦争で飛躍するだろうな。――――――エレボニア帝国軍も、結社も、黒の工房も、二大猟兵団も、そして”鉄血宰相”すらも自身の”踏み台”にしてな。」
「て、”鉄血宰相”――――――オズボーン宰相もリィン自身の”踏み台”にするって、まさかとは思いますがリィンは今回の戦争でオズボーン宰相も討つつもりなんですか…………!?」
ヴァイスが口にしたリィンの将来を聞いてある事に驚いたマキアスは不安そうな表情で訊ね
「ああ。”鉄血宰相”はユーゲント皇帝に代わる三国と戦争し、呑み込むつもりでいるエレボニア帝国の”総大将”なのだから、奴を討てば間違いなく大手柄になる上…………真の意味で親子の縁を断つ為にも、”鉄血宰相”を討つつもりだそうだ。」
「な――――――」
「”真の意味でオズボーン宰相との親子の縁を断つ為”に…………確かにリィンはオズボーン宰相が自分の父親である事を知った時、思う所があるようだったが…………何故、そこまでしてオズボーン宰相との縁を…………」
ヴァイスの答えを聞いた仲間達がそれぞれ血相を変えている中サラは絶句し、ガイウスは複雑そうな表情で呟いた。
「フッ、何をとぼけた事を。お前達ならその件について一番よくわかっているのではないか?――――――”今のリィンにとっての本当の家族はシュバルツァー家”なのだから、”例え血縁関係があろうと、幼い自分を捨てて好き勝手に生きたにも関わらず、内戦で活躍すると今更父親面した挙句自分を利用しようとしている鉄血宰相をリィンは自分の父親とは認めない”事を。」
「……………それ…………は…………」
不敵な笑みを浮かべて指摘したヴァイスの指摘にエマは辛そうな表情で答えを濁し、アリサ達もそれぞれ様々な思いを抱えて黙り込んでいた。
「よかったな、オリビエ。お前が危険視していた”鉄血宰相”をお前がエレボニアの為に結成した”Z組”の一員であったリィンが排除するつもりでいるのだからな。」
「ハハ…………君は祝いの言葉を送ったつもりだろうけど、私にとっては皮肉な意味にしか聞こえないよ…………確かに私は宰相殿を危険視していたし、排除すべきという考えも持っているが、だからと言って、血の繋がった親子が互いを憎んで殺し合うなんて余りにも哀しい結末になって欲しいとは心から望んでいないよ…………」
「オリビエ…………」
ヴァイスの指摘に対して疲れた表情で答えたオリヴァルト皇子の様子をミュラーは辛そうな表情で見つめた。
「…………失礼を承知で問
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