第32話
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ーの指摘に対してヴァイスは静かな笑みを浮かべて答え、リセルは疲れた表情で答えた。
「ほう…………?当時のヴァイスには一体どんな異名がつけられたんだい?」
「――――――”簒奪王”。当時の俺は庶子でありながら帝国に叛旗を翻し、皇帝とその側近である元帥の命を脅かした事から、そんなあだ名を歴史家達がつけたそうだ。」
「さ、”簒奪王”ですか………」
「確かに”英雄”につけるような異名ではないな。」
「というか現代でも、現在進行形でエレボニアを”簒奪”しようとしているから、まさにその異名通りじゃない…………」
オリヴァルト皇子の問いかけに対して不敵な笑みを浮かべて答えたヴァイスの答えにエマは不安そうな表情をし、ユーシスは厳しい表情でヴァイスを見つめ、サラは疲れた表情で溜息を吐いた。
「話をリィンの件に戻すが、リィンの元には様々な勢力の仲間が集結し続けている。元からいる仲間であるセレーネとメサイアは当然として、家族であるエリゼとエリス、メンフィル軍の訓練兵時代に結んだ絆、エステルと契約している使い魔達のように自らの意志でリィンに協力する事を決めたリィンの新たなる使い魔達、更には敵国の皇女、騎士、大貴族に加えて内戦の時はかつては”敵”であったアルティナ…………――――――敵、味方問わず”人を惹きつける力”もまた、時代が望む英雄に備わった力だ。そういった部分に関してエステルも同じだろう?」
「ハハ…………確かにかつてエステル君には遊撃士協会の関係者に限らず、私やミュラー、クローディア王太女達のように本来遊撃士とはあまり関わらない人物達もエステル君の仲間として加わった上、リベル=アークの決戦では結社の”執行者”であったレーヴェ君も仲間になったし、”影の国”ですらもセリカさん達に加えて強者揃いの”影の国”で戦った”試練の守護者”の中でも間違いなく”最強”と言って過言ではないフェミリンスさんすらもエステル君の仲間になったね…………」
「そしてメンフィル・クロスベル連合側についてからできた新たな仲間達に加えて本来メンフィル軍の一員として戦うはずだった”敵国”であるエレボニアの皇族であられるアルフィン殿下、”四大名門”の一角のミルディーヌ公女、代々皇族の守護職を務めた”ヴァンダール”の一員であるクルトと”黒の工房”の関係者だった”黒兎”を仲間にしたリィンは確かに当時のエステル君を思い返すな…………」
ヴァイスの指摘にオリヴァルト皇子は疲れた表情で呟き、ミュラーは重々しい様子を纏って呟いた。
「リィンは己の目的の為に多くのエレボニア帝国の軍人達の命を奪い、更には元から敵対関係だったとはいえ、かつての仲間の親族であるルーファス・アルバレアも殺害し、自身の”踏み台”とする冷酷かつ非情なる判断を行った。――――――それを行ったリィン自身、もはや
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