暁 〜小説投稿サイト〜
英雄伝説〜灰の騎士の成り上がり〜
第32話
[6/14]

[8]前話 [1] [9] 最後 最初 [2]次話
ァイスの答えに仲間達がそれぞれ血相を変えている中アンゼリカは目を丸くして呆けて黙り込み、アリサは信じられない表情で訊ねた。

「貴方達でしたらご存知かもしれませんが、ログナー侯爵はユーゲント皇帝に対しての忠誠が篤いとの事。戦後、例えユーゲント皇帝を皇帝の座から退かせてもログナー侯爵がユーゲント皇帝の復帰を企む事や、エレボニア帝国の存続の為にはメンフィル帝国との関係回復を最優先と考えているミルディーヌ公女と敵対して派閥争いする要注意人物と判断したからとの事です。」
「それどころか、あの公女は自分の結婚予定相手であるリィンが今回の戦争でログナー侯爵を討ち取ってくれれば、『四大名門当主の一人であるログナー侯爵を討ったという大手柄で将来の旦那様であるリィン少佐は更なる出世ができ、ログナー侯爵も排除できますから一石二鳥ですわ♪』と中々腹黒い事を言っていたぞ。」
「そ、そんな事をミルディーヌ公女が考えていたなんて…………」
「…………だが、エレボニアの将来の遺恨を排除するという考えは貴族としては間違ってはいないな…………」
「正直、カイエン公すらも比べ物にならない非情かつ冷酷な人物なんじゃないかしら、あの公女は。」
「ん。相当な曲者かつ腹黒だね、ミルディーヌ公女は。」
「ハハ…………ミュゼ君が想定している父上の行動はどれもありえそうな事は娘である私が一番良く理解しているから、反論できないね…………」
「アンちゃん…………」
リセルとヴァイスの話を聞いたエリオットは不安そうな表情をし、ユーシスは重々しい様子を纏って呟き、目を細めたセリーヌの言葉に頷いたフィーは厳しい表情をし、疲れた表情で呟いたアンゼリカをトワは心配そうな表情で見つめた。

「…………だが例えエレボニアの為であろうと、自分の考えだけでログナー侯を排除する等間違っている…………!第一邪魔な存在は全て排除する等オズボーン宰相のやり方と同じだ…………!」
「だからその考えが、”甘い”と言っている。戦乱の時代で自分達の考えを通す為には時には冷酷かつ非情な判断も必要だ。―――――――――ましてやリィンを欠いた今のお前達でその考えを通す等、不可能だ。」
「それってどういう意味?」
厳しい表情で声を上げたラウラの主張に指摘したヴァイスの指摘を聞いた仲間達がそれぞれ血相を変えている中フィーは真剣な表情で訊ねた。
「それはリィンが”時代が望んだ英雄”だからだ。」
「リィンが”時代が望んだ英雄”…………確かにオズボーン宰相達によって、リィンはエレボニアの”英雄”扱いはされているが、それが今の指摘とどう関係しているのでしょうか?」
ヴァイスの答えを聞いたガイウスは不思議そうな表情で訊ねた。

「――――――”時代が望んだ英雄”とは混迷の時代が混迷を終わらせる為に生み出す”怪物”です。
[8]前話 [1] [9] 最後 最初 [2]次話


※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりをはさむしおりを挿む
しおりを解除しおりを解除

[7]小説案内ページ

[0]目次に戻る

TOPに戻る


暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ

2024 肥前のポチ