第32話
[2/14]
[8]前話 [1]次 [9]前 最後 最初 [2]次話
即位するって…………!」
「…………失礼を承知で問わせて頂きますが、ヴァイスハイト陛下は”庶子”である為オリヴァルト殿下には”帝位継承権”が存在しない事はご存知ではないのですか?」
ヴァイスの説明を聞いたマキアスは信じられない表情で声を上げ、アルゼイド子爵は厳しい表情でヴァイスに問いかけた。
「フッ、戦乱の時代となった今の時代に”帝位継承権の有無”等些細な事だ。生まれ変わる前の俺もかつてはオリビエと同じ”庶子”だったが、戦乱の時代であった事に加えてメルキア帝国も内乱状態であった為、それらを利用して当時の皇帝であるジルタニアを殺してメルキア皇帝に即位した。」
(まあ、ジルタニア陛下の場合は事情が事情でしたものね…………)
(はい…………彼を止めなければ、メルキア帝国やその周辺の国だけでなく、アヴァタール地方にも様々な悪影響を及ぼす事になったでしょうし…………)
(ですが今の時代のオズボーン宰相という人物も、ある意味ジルタニア皇帝と同じかもしれませんね。)
アルゼイド子爵の問いかけに対して答えたヴァイスの答えを聞いたリセルとマルギレッタは複雑そうな表情で小声で当時の出来事を思い返し、リ・アネスは重々しい様子を纏って呟いた。
「同じ”庶子”同士とはいえ、野心溢れる君と父上から帝位を簒奪する等と言ったそんな恐ろしい事を一度も考えた事のない私を一緒にしないでもらいたいのだが…………第一”帝位継承権”も持たない私が父上の帝位を簒奪して即位すれば、例え国家間の関係が悪化し続けているリベール、メンフィル、クロスベルとの問題を解決できたとしても、今度はエレボニア帝国内で様々な問題が発生してしまうよ…………」
一方オリヴァルト皇子は疲れた表情で溜息を吐いてヴァイスに指摘し
「それでも国内の問題は時間をかけさえすれば、解決の糸口は見えてくる。エレボニアの為にメンフィル・クロスベル連合についたミルディーヌ公女達――――――ヴァイスラント決起軍もお前がエレボニアの為にユーゲント三世から帝位を簒奪する事を知れば、お前の後ろ盾にもなるだろうし、アルフィン皇女も自身が持つ”帝位継承権”をお前に譲る可能性は十分に考えられる。しかも残りの”四大名門”の関係者もお前に協力している。ミルディーヌ公女達とお前に協力している残りの”四大名門”の関係者が当主になって協力すれば、少なくても貴族達を抑える事はできるだろう。――――――戦争でエレボニアが滅ぶよりはよほどマシだと思うのだが?」
「…………確かにアルバレア公爵家に関しては父上が逮捕され、兄上が戦死した以上、名目上アルバレア公爵家の当主は俺という事になってはいるが…………」
「私の場合は皇帝陛下への忠義が篤い父上から”ログナー侯爵家当主”の地位を簒奪する必要があるかもしれないね。」
「アンちゃん…………」
「………
[8]前話 [1]次 [9]前 最後 最初 [2]次話
※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりを挿む
[7]小説案内ページ
[0]目次に戻る
TOPに戻る
暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ
2024 肥前のポチ