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おっちょこちょいのかよちゃん
15 秀才の兄、病弱の妹
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た。
「そうだ!今日小春ちゃんのお見舞いに行こうよ!長山君、いいかな?」
 まる子が提案した。
「え?うん、いいよ」
「皆で行こうか」
「うん!」
 皆賛成した。
「ありがとう、皆」
 長山は四人に感謝した。
「あの、長山君・・・」
 かよ子は長山に話し掛けた。
「何だい?」
「私、この前長山君が教えてくれた通りにおっちょこちょいを治そうとしてるんだけど、なかなか上手く行かなくて、今日も転びそうになっちゃったよ・・・」
「ああ、すぐに治せる訳じゃないよ。少しずつ、段々と治すようにすればきっとよくなるよ」
「うん・・・。ありがとう」
 かよ子は長山に礼をすると共に自分がおっちょこちょいを治すように小春の病気も治る事を願った。

 放課後、かよ子達は長山の家へと向かった。
「只今」
「お邪魔します」
 長山の母が出迎えた。
「あら、いらっしゃっい」
「母さん、皆小春のお見舞いに来てくれたんだ」
「あら、ありがとうね」
 長山の母は皆を小春の部屋へと通した。
「小春、僕の友達がお見舞いに来てくれたよ」
「こんにちは、小春ちゃん」
「こ、こんにちは・・・」
 長山の妹は弱々しい声で挨拶した。
「小春ちゃん、すぐに元気になれるよ。そしたらまたお友達に会えるよ」
 まる子は声を掛けた。
「うん、ありがとう!こはる、がんばってげんきになるよ!また1ねんせいなんていやだもん!」
(小春ちゃん、病気ばかりなんて嫌だよね・・・。私だったら杉山君に会えなくて寂しいかな・・・)
 かよ子はもし自分が病気がちだったらどうなるか考えた。
「おにいちゃん、おねえちゃんたち・・・」
「どうしたんだい?」
「いま、あじさいさいてるよね?」
「うん、梅雨時だから咲いてるよ」
「こはる、あじさいみたい・・・」
「そうだね、治ったら一緒に行こう!」
「うん!」
 しかし、長山は裏では妹の病気が長引いて紫陽花を見せる事ができるか心配だった。
(どうか小春の為に紫陽花を見せられたら・・・)
 長山はそう思った。
(小春ちゃんに紫陽花、見せてあげられたら・・・。そうだ・・・!!)
 かよ子は数日前、杉山達と隣町の小学校のグループとの抗争を鎮めた時を思い出した。
(あの時フローレンスさんから貰った羽根があれば今すぐ見れるかも・・・!!)
「小春ちゃん、今すぐ見に行けるよ!」
「できるのかい?」
「大丈夫だよ。私、不思議な羽根があるんだ!それで空を翔んで紫陽花が咲いている所へ行こうよ!」
「かよちゃん・・・。まさかそれもおっちょこちょいの一つじゃ・・・」
 たまえは邪推した。
「ううん、本当だよ!今持って来るよ!ちょっと待ってて!」
 かよ子はランドセルを忘れて長山の家を飛び出した。
「かよちゃん、ラ
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