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魔法少女リリカルなのは〜無限の可能性〜
第7章:神界大戦
第215話「慈悲なき絶望・前」
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を放てた。
 緋雪であれば、“破壊の瞳”の破壊の概念を使ったり、直接神を攻撃出来た。
 優輝や葵もまた、攻撃を一点集中させる事で障壁を貫く一撃を創っただろう。
 椿の場合は神の力を使う事で突破していたかもしれない。
 攻撃が軽いという欠点があるからこそ、奏はこれ以上の手段がなかった。

「(アタックスキル、ガードスキル……既存の手札じゃダメ。何か、新たな攻撃を生み出さない限り……)」

 奏の攻撃が通じないからと言って、神は防ぐだけじゃない。
 簡単な理力の弾や、障壁を押し出す事で攻撃をしてくる。
 それを奏は躱しつつ、何か手段がないか頭を働かせる。

「(なのはなら集束魔法を……優輝さんも攻撃を一点集中させる。司さんならジュエルシードと祈りで強力な攻撃を……。緋雪なら“破壊の瞳”が。帝はいくつもの宝具が。……なら、私は……)」

 自分には何かないか、必死に探る。
 この状況を打開できない限り、耐えながら誰かの助けを待つしかない。
 そのため、思考を巡らす。
 何か、突破できる手掛かりになるものがないか。

「(ガードスキル……私の力の原典は、“Angel beats!!”のもの。ガードスキルのスキル名の由来は、音楽用語だったはず。……音?)」

 ふと、一つに思い当たる。
 この場で新たな技のヒントとなり得る“モノ”を捉える。

「(私の魔法を“音”と捉え、それを束ねる。……本来なら不可能な事。だけど、神界であるならば……!)」

 霊術を応用した、概念の利用。
 それをさらに応用し、奏の技を“音”として捉える。
 そして、それを束ねて撃ち出す。

「ぐ、くっ……!」

〈“Delay(ディレイ)”〉

 霊力と魔力の陣を展開し、重ねる。
 そこへ、いくつもの術式が束ねられていく。
 だが、妨害がない訳ではない。
 奏は攻撃を躱しつつ術式の構築を行うため、精神力が削られていく。

「これ、で……!」

 そして、“音”は束ねられた。
 霊魔の陣に集まるは、奏の全ての魔法と言って過言ではない。

「貫いて……!」

「な、に……!?」

   ―――“Angel Beats(エンジェルビーツ)

 その束ねられた“音”が砲撃として放たれた。
 水色を淡く纏った七色の極光が神へと迫る。

「(私の全てを込めた霊魔術。ただ貫通力や攻撃力を上げた訳じゃない。……概念的強さを以て、障壁を貫く!!)」

 “音”の束は真っ直ぐと神へと向かい、直撃した。




















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