暁 〜小説投稿サイト〜
魔法少女リリカルなのは〜無限の可能性〜
第7章:神界大戦
第215話「慈悲なき絶望・前」
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に合わないため、唯一司に出来た事は、ダメージの軽減だけだった。

「(まるで、お手玉―――)」

「こちらもお忘れなきよう」

「ぐっ!?」

 神だけではない。“天使”もいる。
 思考が纏まらないまま、司は“天使”の追撃も受ける。

「ッ!!」

「っと……!」

「っぐ、はぁ、はぁ……!」

 思考してからの反応が間に合わない。
 そのため、司は一度“身を任せた”。
 今までの経験に身を委ね、反射的な体の反応に賭けた。
 その賭けに勝ち、司は“天使”の攻撃を一部捌き、包囲を抜け出した。

「(マルチタスク……!)」

 マルチタスクによる全力の思考を行う。
 考えてからの行動では遅い。かと言って、脊髄反射で勝てる訳でもない。
 何より、今の状況ではジュエルシードの力を一つも使えていない。
 劣勢状況を変えるために、司は全力で考える。

「ッ―――!」

「させん」

 だが、それすら割り込むように阻止される。
 最早、思考が意味を成さない。

「(考えていたら―――)」

「はぁっ!」

「(―――負ける!)」

 司はそう結論付け、防御に意識を割いた。

「っ、ぁっ!」

「むっ……!」

 勘と、経験。その二つのみで神の攻撃を防ぐ。
 尤も、司の技量ではそれは成し遂げられない。
 全て防御する事は出来ずに、司はさらに後退する。

「隙だらけです」

「っづ、ぁっ……!?」

 そこへ、“天使”達がすかさず追撃する。
 連続攻撃に、司は耐えきれずに吹き飛ばされた。

「ぉぐっ……!?」

 体勢を立て直す間もなく転がり、そして立ち上がる前に腹を蹴られる。
 蹴り上げられた事で浮いた体を、神は閃光を繰り出してさらに吹き飛ばした。

「(耐え―――)」

「防戦一方だな」

「(―――て……)」

 吹き飛ばされた先で、また吹き飛ばされる。
 思考に割り込むように打ち抜かれ、中断させられる。
 それでも、司は諦めないように“意志”を保つ。

「(今は―――)」

「だが、それも仕方あるまい」

「(―――耐えて)」

 反射的に反応する防御行動で、僅かにでも攻撃を防ぐ。

「(打開策―――)」

「お前はもう、何も出来ない」

「(―――を―――)」

 その先に、何か反撃の手段があると、そう信じて。

「(っ……)」

 天巫女の力は使う間もなく阻止される。
 それどころか、普通の行動や思考さえも先手を取られる。
 通じるのは、無意識下の行動か、我武者羅な行動のみ。

「ぁあああああっ!!」

「ッ!」

 司が魔力を放出する。
 神や“天使”が僅かに怯み
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