暁 〜小説投稿サイト〜
魔法少女リリカルなのは〜無限の可能性〜
第7章:神界大戦
第215話「慈悲なき絶望・前」
[3/9]

[8]前話 [1] [9] 最後 最初 [2]次話
立て直す前に放たれた追撃を紙一重で躱した。
 そして、さらに間髪入れずに放たれた極光を、シュラインで逸らす。
 無理矢理体を捻り、背後を取った“天使”に蹴りを叩き込んだ。

「(転移……!)」

 マルチタスクによって構築していた術式で、ようやく間合いを取った。
 体勢を立て直しつつ、神達を見据える司。

「ぐっ……!?はぁ、はぁ、はぁ……」

 肩で息をする司。
 神界において物理ダメージは大した事はないが、司はまた別の理由があった。
 司が聖司だった頃、死ぬ前に虐待を受けていた経験がある。
 乗り越えたとはいえ、精神的なダメージを負わない訳ではない。
 先程の“天使”達の攻撃は、その時の虐待を想起させた。
 その分、精神的なダメージが大きかったのだ。

「(魔法の発動が間に合わない。ものによっては、霊術すらも。使えるとすれば、天巫女の力を使わない基本的且つ、発動が早い魔法や霊術……後は体術かな)」

 思考を加速させる。
 なるべく分析し、相手と自分の差や特徴を探る。

「(とにかく“早い”。先手を打たれて反撃も抵抗も中断させられる。……私と相性最悪だね。これは……)」

 確実にタイムラグを突かれている。
 それは司にも理解出来ていた。出来ていてなお、対処できない。

「(“早い”事に関する“性質”かな。もしくは、そのまま“早い性質”か)」

 故に、それに類する“性質”だと司は推測した。
 司自身が知る由もないが、対峙する神はまさにその“性質”だった。

「(どの道、このままじゃいけない。何とかして、突破しないと)」

 まだここで倒れる訳にはいかないと、司は自らを奮い立たせる。

「(ここまで来て、諦められない!絶対に、優輝君の所へ―――)」

 “戻る”。そう決意して―――










「浅はかな」

「―――ぁっ?」

 ―――目の前に来た神によって、その“意志”に罅が入れられた。
 掌から放たれた閃光によって胴を貫かれる。

「っ」

「思考する暇があるか?」

 反撃するための魔力を集めた瞬間、首を掴まれる。
 そのまま理力を流し込まれ、反撃のための力は霧散させられた。

「否、お前にはもう思考する暇も与えない」

「ッ」

「遅い」

「っご……!?」

 司はそれでもシュラインを振るおうとし、胴へ掌底された事で吹き飛んだ。
 行動一つ一つの先手を取られ、司は抵抗さえ許されない。

「(行動どころか、思考にも!?このままじゃ―――)」

「ふっ!」

「っづ……!?」

 思考が追いつかない。
 司が脳内で結論を出す前に、思考を中断させるように追撃が入る。
 防御も間
[8]前話 [1] [9] 最後 最初 [2]次話


※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりをはさむしおりを挿む
しおりを解除しおりを解除

[7]小説案内ページ

[0]目次に戻る

TOPに戻る


暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ

2024 肥前のポチ