第7章:神界大戦
第215話「慈悲なき絶望・前」
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「はぁあああっ!!」
〈“闇祓いし天巫女の祈り”〉
司の持つシュラインの矛先から、眩い閃光が放たれる。
閃光は極光となり、眼前に迫っていたアンラ・マンユを呑み込んだ。
「はぁっ、はぁっ、はぁっ、これで、全部!?」
体感で言えば数時間に及ぶような戦闘だった。
イリスが複製したアンラ・マンユは一体だけでなく、何体も存在した。
それら全てを、司は相手にしていたのだ。
“負”のエネルギーを凝縮した存在であるアンラ・マンユと相対し続けたため、天巫女である司でもかなりの精神的疲労が出ていた。
意識の持ちようで疲労も回復出来るとはいえ、限度があった。
「…………」
司は構えを解かず、周囲を警戒する。
一体目を倒してから、次のアンラ・マンユは突如出現していた。
時には二体以上を同時に相手する時もあった。
そのため、例え倒しきったと思っても警戒は解かなかった。
「(打ち止め?それとも、さらに増える?)」
呼吸を整えつつ、辺りを窺う。
だが、一向に新たなアンラ・マンユは現れない。
「………来ない……?」
〈そのようですね〉
警戒は緩めないが、それでももう来ないと思えた。
「……ふぅ……」
そのため、司は緊張をほぐすように溜息を吐いた。
「ッづ!?」
―――そして、その瞬間を狙い撃ちされた。
「―――ァ……!」
“顎を蹴り上げられた”と気づいたのは、その数瞬後だった。
「(接近に気付けなかった!?早すぎる!)」
すぐに体勢を立て直そうとして……また吹き飛ばされた。
ガード自体は間に合ったが、それでも再び体勢を崩された。
「(アンラ・マンユに続いて、今度は神!それも、“天使”も従えてる!)」
包囲するように“天使”が肉薄。
攻撃を防ごうと、司が障壁を張ろうとした瞬間―――
「ぅ、ぁっ!?」
それよりも“早く”、神の拳が司の体を吹き飛ばした。
「(“祈り”が間に合わない!?ストックしている魔法じゃ、心許ない……!)」
それどころか、体勢を立て直しきる事すら困難。
そんな状況に、司は陥っていた。
アンラ・マンユとの連戦を経て、司の天巫女としての弱点である魔法発動までのタイムラグ、それを補うための魔法のストックもほぼゼロになっていた。
いくら優輝達との特訓を経たとはいえ、未だにタイムラグは残っている。
敵は、そんな僅かなタイムラグを突いて攻撃してきていた。
「(とにかく、何とかして体勢を……
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