第六話『聖女A』
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たんですけど、あなたは其方の妖精さんとお知り合いなんですか!?」
突然、女の子が意を決した感じで訊いてきた。
「友達だぞ」
「友達!?」
「他にも大勢居るぞ。こいつ自身にも妹達が居るしな」
「まあね」
「妖精さんがいっぱい!?」
「正確には妖精さん≠カゃなくて幼魔ちゃん≠ネ。異世界・異時間・異空間≠フ日本妖怪の幼児達だ」
「ちょっと分かり難いです」
「こいつは異世界の妖怪でな、こいつのような異世界の日本妖怪が、此方の世界の日本に遊びに来ているんだ」
現代の我が日本は異世界妖怪の一方的観光攻撃にさらされていたのである。
「なんだか凄いお話ですね」
感心した様子である。
「興味があるなら後で他の子達も紹介しよう」
「是非お願いします!」
凄い食いつきである。
「応」
「わたしも妹達にも話をしておくわ」
「わぁ、お会いするのが楽しみです!」
満面の笑顔である。
──だいぶ日が暮れてきた。
「──あの、そろそろ教会に辿り着かないと……」
「おっと、そうだな。この町の教会なら場所を知っているし、俺が道案内をしよう」
昔、幼なじみに連れられて行った事もある。
「ありがとうございます! 主よ、導きに感謝を!」
修道女らしく祈りを捧げる女の子。
この場に〈悪魔〉が居たら、さぞかし頭痛がした事だろう。
「じゃあ、着いて来てくれ。名乗り遅れたが、俺は兵藤一誠。イッセーと呼んでくれ」
「わたしは、はち」
「イッセーさんとはちさんですね。申し遅れました、私は『アーシア=アルジェント』です」
──そんなこんなで〈駒王町〉郊外の教会の建物近くまで辿り着いた。
はちも丸犬達を連れて一緒に着いて来ている。最後まで面倒を見るタイプだな。
「──案内してくださってありがとうございます!」
深々と頭を下げるアーシア。
「あ……あのぅ、お礼がしたいので中でお茶でも……」
別れるのが名残惜しいのか、そんな提案をしてきた。
「悪いけど遠慮しておこう。まぁ、また会おう。約束した事もあるし」
「またね」
「は、はい! 必ず、またお会いしましょう!」
──アーシアは教会の中に入り、俺達もそれぞれ帰路に着いた。
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