第六話『聖女A』
[1/4]
[8]前話 前書き [1]次 最後 [2]次話
──名も無き男(堕天使)を、滅した数日後の放課後。
旧校舎≠フ〈オカルト研究部〉部室では、小猫ちゃんがソファーでぐったり寝そべっていた。
譫言で、何とかショージョだかショムジョだか呟いている。
「どうしたんですか、小猫ちゃんは?」
部長席のグレモリー先輩に訊いてみた。
「昨日、あなたが帰った後に悪魔の仕事を回したんだけど……」
「小猫ちゃんがダウン──こう寝込んでいるって、どんな依頼だったんですか?」
「わざわざ言い直してつまらない駄洒落を挟まないでちょうだい。昨日の小猫の仕事は二件。守秘義務で名前は言わないけど、一件目は小猫の常連さんで内容は『魔法少女の格好をした小猫にお姫様抱っこをしてもらう』だったそうよ」
「なかなかマニアックよな」
小猫ちゃんの魔法少女コスプレは俺も見てみたいけど。
「因みに、あれが小猫が代価として貰って来たその時の衣装よ」
グレモリー先輩が指差した先には、数々のオカルトグッズと並んでファンシーなフリフリの衣装が吊されてある。違和感ぱない。
「あの、衣紋掛けに吊られているやつっすね」
あれって『魔法少女ミルキー』の衣装か。出来が良いな。
「えもんかけ≠チて何?」
「日本語でハンガーの事ですわよ。今日日、日本人でもあまり通じませんわね」
小首を傾げるグレモリー先輩に、姫島先輩がお茶を淹れながら教えていた。
「そのくらいでグロッキーになりますか?」
「原因は二件目よ。衣装の下にDVDのソフトが置いてあるでしょ?」
「ありますね」
気付いてはいたけど、衣装の下に同じく『魔法少女ミルキー』のDVDセットが置いてある。
「あれ、二件目の代価なんだけど」
「別々に貰ったのか……」
てっきり衣装と一緒に貰ったものかと思ってたぜ。
「依頼は『自分を魔法少女にして欲しい』って、割と可愛らしい内容だったらしいわ。まぁ、流石に無理って事で代わりに小猫が依頼人と一緒にアニメDVDを観賞したり、自前の衣装を着た依頼者と一緒に小猫もあの衣装を着て写真撮影とかで遊んであげたみたいだけど」
「ゲームやアニメみたいに『先に手に入れたアイテムが後で役に立つ』とは」
──『魔法少女ミルキー☆キャット』爆誕!≠ゥ。
ネタで思い浮かべたけど、割と面白そうな作品にもっていけそうな気がする。
「小猫がグロッキーなのは、本来の依頼失敗の方じゃなくて、慣れない事をしたからじゃないかしら?」
苦笑を浮かべるグレモリー先輩。
(※リアスは二件目の依頼者をきっと好奇心旺盛で活発な小さい女の子だと思い、小猫が振り回されたんだろうと微笑ましく思っています)
「因みに
[8]前話 前書き [1]次 最後 [2]次話
※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりを挿む
[7]小説案内ページ
[0]目次に戻る
TOPに戻る
暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ
2024 肥前のポチ