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聖国のジルフリーデ 〜勇ましき姫と気高き女騎士と、男勝りな女戦士と妖艶な女盗賊は、媚薬の罠に乱れ喘ぎよがり狂うも、心だけは屈しない〜
番外編 凛々しき女王は、己の全てを受け入れる
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いのか! ここで終わりにしていいのか、ジルフリーデ! 俺を拒めばお前は2度と、あの『極上の快楽』を味わえぬのだぞ!? 身を焦がし、互いに溶け合うような、あの熱く激しい交わりを思い出せ! お前の淫らな身体を満足させられる男が、他にいると思うのか!?」
「……っ!」
そんな彼女に対し、形勢を逆転されたアンジャルノンに出来るのは――勝ち目の薄い「説得」だけであった。しかし彼の言葉も、全てが嘘というわけではない。
確かに存在した甘く激しい快楽の渦と、そこに酔い痴れ淫らに腰を振っていた「自分」を思い出し――ジルフリーデは羞恥に頬を染め、剣先を震わせる。
淫靡な匂いの汗を滲ませ、愛液を滴らせる、彼女の肢体という「本能」は今も――アンジャルノンの逸物を欲し続けていた。
『姫様ぁあーっ!』
『ジルゥウーッ!』
『ジルッ!』
しかし彼の言葉が思い出せたのは、あの日の深く溶け合うようなまぐわいだけではない。それを乗り越え、共に戦った、仲間達の呼び声も。
「――ッ!」
今を生きる女王の脳裏に、蘇っている。
「……しは……ますッ……!」
「なに……!?」
「……なら、私は……! そんな淫らな私とも戦いますッ! 聖国の女王として民を守り、今ここにはいない仲間達の思いを胸に、私は戦い続けるッ! 剣を取り抗う私も、そう……ではない私も、どちらも本当の私! 『聖国のジルフリーデ』なのですからッ!」
そして、毅然とした眼差しを取り戻し――アンジャルノンの拒絶へと踏み切った彼女は。
「はぁあぁああーッ!」
「なっ……にぃいッ!?」
勢いよく地面を掴むと、上半身の力だけで自分の裸身を投げ飛ばし――その体勢のまま、剣を逆手に構え、空中で身体を回転させると。
「やっ……やめろぉぉおおッ!」
肉欲に屈せず、剣を以て自身を拒む彼女に驚愕する、アンジャルノンの逸物に向けて。太陽の輝きを纏う剣を、大きく振るい。
「
聖国式闘剣術
(
せいこくしきとうけんじゅつ
)
ッ――
月鋭剣
(
げつえいけん
)
ッ!」
数年間に渡る鍛錬の成果を、見せ付けるかの如く。満月を描く刃の一閃で――振り抜くのだった。
刹那。
「ぐぁあッ――ぎゃあぁあぁあああぁあぁあッ!」
斬り取られたアンジャルノンの剛剣が、快晴の空に舞い飛び――鮮血を撒き散らす彼の絶叫が森中に轟いたのは、言うまでもない。
◇
――その後。あまりにもジルフリーデの帰りが遅いことを不審に思い、水辺まで足を運んだラフィノヴァが2人を発見したことで、事態は発覚した。
股間を抑えながら気絶していたアンジャルノンは再び捕らえられ、彼を追っていた帝国騎士団に改めて引き渡された。
保護されたジルフリーデも幸い妊娠は
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