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聖国のジルフリーデ 〜勇ましき姫と気高き女騎士と、男勝りな女戦士と妖艶な女盗賊は、媚薬の罠に乱れ喘ぎよがり狂うも、心だけは屈しない〜
番外編 凛々しき女王は、身に刻まれた快楽に沈む
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――数日前に隣国の王国から流れて来た、風の噂によれば。
王国の姫騎士ダイアンを罠に嵌め、手篭めにしようと画策していた帝国貴族ババルオと、その側近のアンジャルノンは――王国に潜伏していた「帝国勇者」に倒され、バルスレイ将軍に捕縛されたのだという。
6年前の戦争で死んだはずの帝国勇者が生きていた、というその噂は当初――眉唾物と見られていたのだが。旅の行商人が、実際に罪人として護送されているババルオとアンジャルノンを目撃して以来、噂は真実味を帯びるようになっていた。
そしてそれは言い知れぬ不安となり、民衆の間に瞬く間に広がっていったのである。
もし本当に、アイラックス将軍をも倒した帝国勇者が生きているのなら。いつか、その凶刃が自分達に向けられた瞬間――弱小の聖国は今度こそ、ひとたまりもない。
過去の敗戦と暗黒の時代から、再びそのような未来が来てしまうのではないかと、誰もが恐れるようになってしまったのである。聖国騎士団を率いる団長として、強く麗しく成長したラフィノヴァは、そんな民衆を励まし続けているのだが――人々の貌から陰りが消え去る日は、未だ来ていない。
最近は騎士団の練度不足を補うためとして、砂漠の町の冒険者ギルドに戦闘訓練を依頼する機会も増えてきたのだが。百戦錬磨の冒険者達による教導を受けてもなお、帝国の侵略を跳ね除けていたかつての王国騎士団のような精強さには、程遠いのが現実であった。
このままではまた、聖国の平和が乱されてしまう。何か、彼らの不安を拭い去れるような「吉報」はないものか。
「……ふぅっ」
――そんな思いを巡らせながら。若き女王のジルフリーデは今日も、日課の水浴びを終えていた。
民に不安げな貌を見せることなく、1人で物思いに耽る時間を必要とする彼女にとって、これは貴重なひと時であり――本来なら必要とされている護衛も付けずに、彼女は単身でこの森に訪れている。
ラフィノヴァを除き、今の彼女に剣技で勝る者が聖国にいないという事実も、その理由の一つであった。
「んっ……」
裸身に纏わり付く水滴を拭き取り、一糸纏わぬ女王は巨峰を揺らしながら、長い付き合いの軽装備に手を伸ばす。
瑞々しく透き通る白い柔肌は、母譲りの美しさを増すばかりであり――姫君と呼ばれていた頃よりもさらに艶かしく、扇情的なラインを描くようになった肢体は、滲み出るような色香を放っていた。
遠方へ旅立ったかつての仲間にあやかり、ボブヘアーに切り揃えられた藍色の髪も、絹のように艶やかであり。濡れそぼった瞳と桜色の唇は、見る者を惑わす魔性の色を湛えている。
「……そろそろ戻りましょうか。母上と公務を終えたら、ラフィとの稽古もありますし……ッ!?」
それほどの美女へと成長を遂げた彼女が
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