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聖国のジルフリーデ 〜勇ましき姫と気高き女騎士と、男勝りな女戦士と妖艶な女盗賊は、媚薬の罠に乱れ喘ぎよがり狂うも、心だけは屈しない〜
最終話 聖国の女傑達は、それぞれの道に歩み出す
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戦争を終わらせ、悪戯に血が流れる時代を絶つために――召喚の儀に臨み。
後の世に「帝国勇者」と呼ばれ畏怖される、最強にして最悪の超人を――この世界に送り出してしまうのだった。
彼の者はその圧倒的な力を振るい、王国軍を圧倒。瞬く間にアイラックス将軍をも倒し、戦争に終止符を打ってしまう。
いかなる正義をも踏み潰す、それ以上の「力」。その無情な現実を全世界に見せつける、残酷な結末であった。
――それから、6年が過ぎた今。
敗戦国となり、かつての聖国のように帝国の属国にされてしまった王国では、1人の姫騎士が帝国軍の支配に抗い続けているのだという――。
◇
川のせせらぎと鳥の声が響き渡る、静かな森の奥地。聖国の城下町からやや離れた、その自然の空間には――木々の隙間から差し込む眩い陽射しに照らされた、小さな水辺がある。
「ふぅっ……」
そこで生まれたままの姿を晒し、身を清める1人の美女は――小さく息を吐きながら、珠のような白い肌に掌を滑らせていた。
聖国をも巻き込んだ、王国と帝国の戦争が終わってから6年。見る者全てを魅了する、絶対的な美貌はさらに磨かれ――艶やかな藍色の髪を靡かせる女王ジルフリーデは、麗しい大人の女性へと成長していた。
その美しさ故、国内外を問わず多くの男性から求婚されている彼女だが――今まで一度も縁談に応じたことはなく、後見人のアリアレイテも、そんな娘の姿勢を尊重している。
同盟国だった王国が帝国に敗れ、属国と成り果てた今――いつまたアンジャルノンのような敵軍が、攻めてくるかも分からないのだ。2度とあの日のような思いをしないためにも、今は国防に専念しなくてはならない。
「必ず……必ず私が、この国を守り抜いてみせますわ。共に戦ってくれた、仲間達のためにも」
そう独りごちる彼女は、さらに大きく実った双丘と扇情的な臀部を揺らし――水辺から上がると、その純白の裸身に纏わり付く水滴を拭き取っていく。
その決意に満ちた眼差しには、共に戦った仲間達との思い出が蘇っていた。生まれ変わった聖国騎士団を率いるラフィノヴァも、今は遠くに旅立っているロザヴィーヌとベーナゼットも、懸命に生きている。
ならば自分も、それに続かなくては。愛するこの故国を、守り抜かなくては。
その思いを新たに、新調された装備と――さらに強固な新素材で作られた、「貞操帯」を身に付けて。戦う女王ことジルフリーデは、剣と盾を携え歩み出して行く。
――その時だった。
「……!」
何者かの気配を感じる。王族以外立ち入り禁止となっているはずの、この森に。
それを敏感に感じ取ったジルフリーデは、一瞬で鋭い顔つきに変わり――剣を構え、気配を辿る。僅かな空気の揺れや匂いから、
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