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聖国のジルフリーデ 〜勇ましき姫と気高き女騎士と、男勝りな女戦士と妖艶な女盗賊は、媚薬の罠に乱れ喘ぎよがり狂うも、心だけは屈しない〜
第7話 勇ましき姫は、処女喪失に乱れ狂う
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 虫も殺せないほどの優しさを持つ一方で、周囲が毎日のように手を焼くほどのお転婆姫。それがかつての王女ジルフリーデであり、剣を取って戦う道とは無縁であるはずだった。
 帝国の侵略がなければ、聖国軍が勝利していれば――自分を庇うために自ら身体を差し出した、最愛の母が。目の前で、アンジャルノンに組み伏せられていなければ。彼女自身が剣を取ってまで、戦うことはなかったのかも知れない。

 戦いとは無縁な、平和そのものとも言える国の姫として生まれ育った、彼女だからこそ。全てを「力」で捩じ伏せ、嬲り、犯し尽くす不条理の極致を許せなかったのである。
 愛する人を想えばこそ、捨てなければならない甘さ。その全てを消し去るには十分過ぎるほどの義憤が、彼女の中に渦巻いていたのだ。

 本当は城に残って、最期まで戦いたかったはずなのに。その誇りを捨ててまで逃げる道を選んでくれていた、ラフィノヴァ。
 命を懸けてまで自分と共に、帝国軍と戦う理由などないのに。最後の最後まで付いて来てくれたベーナゼットと、ロザヴィーヌ。

 彼女達を苦闘の道連れにしてしまうと、知りながらも。ジルフリーデにはもう、剣を以て未来を切り拓く道しか、残されていなかったのである。
 すでに王国の英雄としてその雷名を轟かせている、アイラックス将軍には救援を要請する便りを送っているが――彼自身も母国のために帝国軍と戦い続けている最中であり、確実に助力を得られる保証などない。同盟国への救援より自国の防衛が優先されるのは、当然の選択なのだから。

 愛する母のためにも、自分の蛮勇に付き合ってくれた仲間達のためにも。ジルフリーデは必ず勝たねばならないと――己に命じ続けて、今。
 聖国の王家に伝わる剣と盾を携え、アンジャルノンとの決戦に臨もうとしていた――。

 ◇

 一歩踏み出すたびに、軽やかに弾むツインテールの髪と――絶え間なく揺れるたわわな双丘。媚薬の効果と長引く戦闘により、女の色香を滲ませる汗だくの肢体。くびれた腰に、オスの情欲を掻き立てるふくよかな臀部。
 そしてミニスカートから覗く、彼女の純潔を守り続けてきた金属製の貞操帯。それら全てを兼ね備える、絶世の美少女は今――王族の寝室で。

「ぁ……はぁ、あぁっ……ジ、ジル、逃げて……! お願いっ……!」
「は……母上ッ……!」

 愛する母の変わり果てた姿に、絶句していた。わなわなと震える姫君の頬は、媚薬とは無関係に紅潮している。
 凛とした美貌と柔らかな物腰で、「聖国の至宝」と呼ばれ愛されていた、王妃アリアレイテは――帝国軍を率いる巨漢の剛剣により、淫らなオンナとして組み伏せられていたのである。

「……待ちわびたぞ、聖国王女ジルフリーデ。やっと俺の前に現れてくれたな」
「アンジャルノンッ……母上から離れなさいッ
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