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聖国のジルフリーデ 〜勇ましき姫と気高き女騎士と、男勝りな女戦士と妖艶な女盗賊は、媚薬の罠に乱れ喘ぎよがり狂うも、心だけは屈しない〜
第7話 勇ましき姫は、処女喪失に乱れ狂う
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!」
色黒の巨躯は、副官をさらに凌ぐ筋肉の塊であり。先程までアリアレイテの柔肌を蹂躙していた、黒く猛々しい剛剣も――他の帝国兵達のそれとは、比べ物にならないほどの迫力を放っている。
それは男性経験のないジルフリーデ自身も、本能的に理解していた。故に彼女は今、アンジャルノンの逸物を前に――「恐怖」と同時に、無意識のうちに「期待」もしているのだ。
「ふふふ……処女のくせに、随分と物欲しげな顔をしてくれるじゃないか」
「……っ! だ、黙りなさい!」
「最も媚薬の香が強い、この寝室まで踏み込んで――どこまで耐えられるか見ものだな」
聖国王女としての理性が、彼の剛剣を「脅威」と認識する一方で。媚薬によって高められた、女としての本能は――「福音」と認識しているのである。
「まぁ……いいだろう、ここまで辿り着いたご褒美だ。俺の子も
孕めぬ
(
・・・
)
『中継ぎ』に、もう用はない」
「あうっ!」
「は、母上ッ!」
胸中のどこかでそれを察していながら、決してそれを認めようとはしない彼女の姿に、薄ら笑いを浮かべながら。アンジャルノンは先程まで激しく求めていたアリアレイテの肢体を、なんの躊躇いもなくジルフリーデの方へと投げつける。
長い鍛錬と冒険によって得た膂力を以て、愛する母を受け止めた彼女は――再会を喜ぶ暇もなく、アンジャルノンを険しい形相で睨みつけていた。
「あ、あぁ……ジル、私の可愛いジル……逃げなさい、逃げるのです……! すでに私は穢れた身、もはやどうなろうとっ……」
「……アンジャルノンッ……!」
「どうした? 喜べジルフリーデ、愛する母上様との念願の再会だぞ」
自分以上に汗だくになった身体や、そこから漂う強烈なオスの匂い。そして下腹部から絶えず滴り落ちる白濁が、王妃の身を襲った陵辱の凄まじさを物語っている。
自分が側にいない間、母はずっとこんな思いをしてきたのか――と。
「……それとも。一刻も早く俺に抱かれたい、と?」
「減らず口をッ……!」
何より。そんな母の受難に対して、媚薬によって開発された本能のせいで――僅かでも「羨ましい」と思ってしまった自分が、許せない。
その怒りを刃に変えて、ジルフリーデは剣の切っ先をアンジャルノンに向ける。だが聖国を占領した猛将は、そんな彼女の威勢すらも一種の「スパイス」として楽しんでいるかのようだった。
「
聖国式闘剣術
(
せいこくしきとうけんじゅつ
)
……だったかな? この国の騎士達とは何度も戦ったが、失笑モノの惰弱な剣技ばかりでなぁ。正直言って、お前の剣などたかが知れている」
「ラフィから教わった、この剣を馬鹿にするのは……許しませんッ!」
「城を捨てた負け犬の剣を馬鹿にするな、と言われてもな。そんなに嫌なら、さっさと力づくで黙らせて
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