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聖国のジルフリーデ 〜勇ましき姫と気高き女騎士と、男勝りな女戦士と妖艶な女盗賊は、媚薬の罠に乱れ喘ぎよがり狂うも、心だけは屈しない〜
第3話 女を堕とす媚薬の罠は、白き肢体に染み渡る
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――異変を感じたのは、アンジャルノンとアリアレイテが待つ最上階の直前。貴族達が集まり、舞踏会を開くために設けられていた大広間まで辿り着いた頃だった。
「……ね、ねぇ、これ……」
「なんだか……」
「毒、ではないな。これは……」
「……っ!」
全身に徐々に滲んで行く、甘美な熱。下腹部の「聖域」に感じる疼きと、滴り。柔肌の隅から隅まで、噴き出るように流れる汗。双丘の先端の、意図しない勃起。
どれも、毒や麻痺を狙ったものによる効果ではない。これは今、彼女達が最も避けねばならない快楽の味――媚薬の
香
(
こう
)
によるものであった。
「んぁ、ふっ……こ、これはまさか……び、媚薬ッ……!?」
「何年も前に、帝国の法律でも製造を禁じられてるのにッ……んぅっ!」
「あ、はぁっ、ふぅっ……お、のれ、アンジャルノンめッ……ひ、姫様ッ!」
「はぅ、くぅ、あぁはっ……くっ……!」
彼女達自身が気付いた時にはすでに、立っていることさえ困難になるほどの症状が、急速に進行していたのである。よろめいたジルフリーデが、咄嗟に剣を床に突き立てた瞬間――状況が、一気に動き出した。
「ハッ、ハハハハハ! 掛かったなバカ女どもが! 想像力のねぇ奴らで助かったぜ!」
「てめぇら如きが、アンジャルノン将軍に敵うわけがねぇってんだよ!」
「仲間達が世話になった分、そのカラダに返してやるぜ! たぁ〜っぷりとなぁ!」
一気に彼女達を囲うように――大広間の外から、さらに大勢の帝国兵達が雪崩れ込んで来たのである。下卑た笑みを浮かべ、舌舐めずりを繰り返す彼らは、淫靡な表情を滲ませる4人の美女に興奮を露わにしていた。
身体に快楽を染め込まれ、本来の力を発揮できない状態で屈強な男達に包囲され――さしもの彼女達も、焦りを隠しきれずにいる。
「……はぁ、ぁっ……ま、全く、女相手に禁止薬物まで使うなんて、とことん腐り果てた連中ねっ……あぁ、はっ……!」
「まだ戦えなくはない、けどっ……ちょ、ちょっ、と……んぁ、はぁっ……マズいかも……」
「くっ……ぁっ……ひ、姫様! これ以上媚薬が回っては、戦うことすら困難になります! 我らが奴らを引きつけましょう、姫様はその間に……!」
「ラフィ、でもっ……!」
その中でラフィノヴァは、媚薬が回りきる前に王妃の奪還だけでも成し遂げるべく「陽動」を立案する。
それだけ彼女達の身に迫る危機は、大きなものとなるのだが。彼女達を案じるジルフリーデに対し、幼馴染の女騎士は――快楽による汗に濡れながらも、気丈な笑みを浮かべていた。
「幼き日より、私の心は常にあなたと共にありました。それは例え、この身を穢されようとも決して揺るぎません! さぁ、早くッ!」
「……分かりました! 必ず、必ず後で合流しましょうッ
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