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聖国のジルフリーデ 〜勇ましき姫と気高き女騎士と、男勝りな女戦士と妖艶な女盗賊は、媚薬の罠に乱れ喘ぎよがり狂うも、心だけは屈しない〜
第2話 4人の女傑は、汗の匂いを撒き散らす
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、オスの情欲を煽る瞬間。
 理性などかなぐり捨てた人面獣心のケダモノ達が、群れを成して踊り掛かって来る。

 それは約3ヶ月に渡り、共に旅を続けてきた彼女達にとっては、いつも通り(・・・・・)の戦いであった。

「ほらほら、どうしたのかしら。そんなことじゃあ……お近づきにもなれないわよッ!」

 群がる男達を一瞬で薙ぎ払い、的確に急所を突くロザヴィーヌの槍。その切っ先が敵の胸に沈むたび、反動によって双丘が上下に弾んでいた。

「ぬぁああぁぁッ!」
「――とぉッ!」

 その不意を突こうと、背後から伏兵が飛び掛かる瞬間――軽やかに跳び上がった彼女は、肉感的な両脚を大きく広げ、伏兵の頭上を取る。
 次の瞬間に頭を挟んだ、白く柔らかな太腿によって――曲がってはいけない方向に首を捻られ。彼女の股間を間近で拝み、その匂いを堪能していた伏兵の意識は、永遠の闇へと沈んで逝った。

「ふんッ!」
「ぐぁッ……!?」
「飛び道具かッ!?」
「……あいにく、女ってのは隠し場所が多くてね」

 中距離から迫り来る敵に対しては――扇情的な谷間から引き抜かれた数本のナイフを投げつけ、接近すら許さない。
 男達は、その瞬間の胸の揺れを拝む暇すらなく――眉間に刃先を叩き込まれていく。

「とぁぁああッ!」
「ぐぉあぁッ……!?」

 さらに。槍という長物ならではの隙を狙い、死角から飛び掛かってくる敵に対しては――地面に片手を付けて逆立ちの姿勢となり、そのまま猛烈な回転蹴りを放ち。
 その白く長い扇情的な脚で、円を描くかの如く――迫り来るケダモノ達を、打ち払ってしまった。

「こ、このアマァッ……!」
「残念。私は奪う(・・)のは好きだけど……奪われる(・・・・)のは死ぬほどイヤなのッ!」

 元盗賊ならではの身軽さと、長い両脚を活かした脚技。そして、槍のリーチを駆使して変幻自在に立ち回る戦法を得手とする、女義賊のロザヴィーヌ。
 彼女の縦横無尽な挙動に、男達は欲情に伴う焦りに邪魔され、翻弄され続けている。

 ――その頃、別の場所では。

「ぬんッ……!?」
「ひょっとして、それで精一杯? なっさけない奴らしかいないんだねぇ、帝国軍人ってのはさぁッ!」

 振り下ろされた剣の一閃が、斧で容易く受け止められる。反撃とばかりに振り抜かれた刃が、男を真っ二つに切り裂いていた。
 鍛え抜かれた帝国兵が放つ、渾身の一撃だったはずの剣先は――遥かに体格で劣っているはずの女戦士に、いとも簡単に防がれていたのである。

「さぁ、次はだぁれ? 言っておくけど、アタシに手加減なんて期待しないでよね」
「ふっざけやがって、このアマァ……! 絶対ヒィヒィ啼かせてやるぜェェッ!」
「……まっ、手加減なんてする気はないん
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