第百十五話 半島の後からその十二
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「だったらな」
「擲弾兵も使うね」
「新たに編成したな、鉄砲は使えなくてもな」
それでもというのだ。
「火薬は使えるな、あと大砲もな」
「届かなくても音で驚かせるね」
「それで敵の隙を作るからな」
この狙いもあってというのだ。
「大砲も使うな」
「やっぱり大砲は使うね」
「こうした時もな」
騎兵相手の野戦でもというのだ。
「勿論突っこんできたらな」
「そこに砲撃を入れるね」
「ああ、そうしてな」
そのうえでというのだ。
「思いきりダメージを与えてやるさ」
「そこまで考えてるのね」
「ああ、じゃあ今からな」
「軍勢の守りは」
「今以上に固めていくな」
夜襲等奇襲に備えてだ。
「そうしてな」
「軍勢との戦いになれば」
「今言ったみたいに戦っていくな、あと焦らないでな」
こうも言うのだった。
「何度戦ってもいいな」
「持久戦なのね」
「ああ、補給路は守っているしな」
カルタゴからのそれもというのだ。
「そこもしっかりしておかないとな」
「そや、敵は騎兵や」
このことをだ、軍勢の糧食や軍資金の管理をしている美奈代が言ってきた。
「それでや」
「その機動力を生かしてな」
「補給路を攻めてくることもしてくるわ」
「普通にな」
「それでやな」
「補給路もな」
それもというのだ。
「守ってるんだよ」
「最初からやな」
「ああ、糧食を運ぶ部隊にもな」
「護衛つけてるな」
「ちゃんとな、そうしてな」
そこまでしてというのだ。
「戦っていってな」
「そしてやな」
「ヌミディアに勝つな」
今から戦う彼等にというのだ。
「是非な」
「ほなな」
美奈代は久志の言葉に頷いた、そしてだった。
美奈代は美奈代で仕事をして軍勢の兵糧や武具そして軍資金の管理を万全にしていた。だが一つ問題があった。
久志はヌミディア領に入ったところでカルタゴ人の士官達に尋ねた。
「ここ水がな」
「はい、カルタゴの辺りは豊富ですが」
「水については」
「灌漑にも力を入れていますし」
「我々は水は豊富ですが」
「ヌミディアは」
「ああ、湖から離れているしな」
それでと言うのだった、彼も。
「それでな」
「はい、そしてです」
「この様にです」
「川も池も少なく」
「井戸を掘っても水は少ないです」
「そうした場所です」
「そうだな、端に行けばもう何もないしな」
そこから先は宙になっている、浮島の特徴だ。そこから落ちてしまえば言うまでもなく命を落としてしまう。
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